表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
456/539

2/19 4:32 『永遠なるもの』

今回のコメント。


前回とかぶっている文章量が多いですが、流れを考えれば、ここからないとしっくりこない気がして載せました。


決して文字稼ぎじゃないですよ。

マ ジ で !(必死だな)



***********************************



 再び目を明けると、私はまたベッドに寝ていた。携帯電話を抱いているのは変わらない。携帯電話を確認すると朝七時だった。ゆっくりと体を起こして部屋の奥を見る。


 だけど、そこには誰もいなかった。「そりゃそうだ」と私はベッドから起きて、服を着替える。テレビをつけっぱなしにしながら、朝食の用意をした。食パン二枚とゆで卵、牛乳だった。なにも考えずにテレビを眺めながら、もぐもぐと食べ進める。


 テレビでは色々なニュースが報じられていく。特にクリスマスイブということもあり、華やかな話題が多かった。でも、もしかしたら明日には、クリスマスなのに集団で行方不明者がでた、なんてニュースが流れるかもしれない。その中には木崎や赤石がいるのかもしれない。


 離れていったお父さんは新しい家庭で、お母さんは若い男と並んで見るのだろう。

 別れたバカ男共はどうせニュースなんかみないで、パチンコ屋の開店を待っているのかもしれない。

 会社の皆もニュースを見ても、関係なくせわしなく仕事しているんだろう。

 由実だって木根君と協力しながら、事件の話もそこそこに旅館の手伝いをするだろう。

 皆どこかで生活を営んでいる。特別なクリスマスイブだって同じだ。


 そして。

 もしかしたら今まで私と出会ったけど、この世にいない人がいるかもしれない。残念だけどもうその人は生活を営んでいないわけだけど。


 だけどね。私という存在自体が、生きている人も死んだ人の存在も体現しているんだと思う。これからも寂しいと思うときが来るだろう。きっと自暴自棄になってどうでもいいやって思う時は来る。だけど、そんな時、そっと胸に手を当てよう。皆という存在が私を作っている事を思う。そして私も皆の一部として生きている事を。


 私は自分自身だけじゃなく、皆の命尽きるまで、ずっと息づいているんだと思う。そう思うと、ちょっと私は心強くなる。


 こうやって一人で食べる朝食も、がらんとしている室内も、今を構成する要素なんだと思うと愛おしくなる。あぁ、こうやって一日が始まるんだなと思うと、よろしくねって声をかけたくなる……日もたまにある。


 周りには人はいないけど、私自身が皆の存在した証として不可分に存在しているんだと思う。私達は見えないけど今日も皆で食卓を囲んでいるんだと思った。さっきの夢みたいに。

 だから私は「メリークリスマス」って心の中で皆に語りかけた。


 そう考えると、思いが形になり、キラキラした光となって、部屋のあちこちに存在しているように感じた。きっと外へでても光は無数にあって、私の記憶を刺激して、不安にさせたり、心強くさせるだろう。


 さしあたって私は携帯電話を見る。予想通り携帯電話もキラキラ輝いていた。私は手を伸ばす。


 怖くはない。全てが私の味方だ。光に手をさらに伸ばす。無理に笑わなくてもいい方法はある。きっとまだ私にやれることがあるはずだ。だんだん頭が鮮明になってきた。すると、道が広がっていった。私は光を掴んだ。


 私は携帯電話を手繰り寄せ、電話をかけた。数コール後に相手が電話にでる。私は相手が何か反応する前に話し始めた。


「デブリ、すぐにアンタの部屋に行くから」


 いつの間に私は緑川の事をデブリって呼んでた。まぁいいか。





更新は1~2時間後(70%)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ