2/17 4:00 『永遠なるもの』(録筆)
今回のコメント。
さて、ここからは録筆になります。
一気に書き上げたので、多少アレかもしれませんが、この場面は勢いというか流れが大切なので(僕が)気にしない。
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「まずは言ってみなさいよ。あの時みたいに」
あの時って言うのは、きっと私が彼氏と喧嘩して由美の家で、散々愚痴った時のことだろう。やっぱり私はあの時と変わっていないんだな。そう思うとため息がでそうになる。
だけど、今だけは甘えようと思った。
とにかく今の気持ちを伝えよう。過去にあったこと、今現在起こっていること。信じてもらえそうにないところは誤魔化したけど、自分の気持ちは偽らないで伝えた。
私は過去の経験から諦めるのが上手くなっていた。笑顔をみせることで、接触を避けていた。ぶつかる事で皆がいなくなるのが怖かった。だけど、そう思って、相手の事を考え、自分にできる事はやってきたけど、全て離れていった。
人が離れていったり、環境を変えざるおえなくなった時に身が引き裂かれるような、戻らない喪失感が耐えられなかった。すくってもすくっても、手をすり抜けて掴む事が出来ない。
自分と不可分だと思っていたものは簡単に離れていく。付け足そうと思って、私にくっつけるけど、時間が経つと少しずつ剥がれていく。ただ、剥がれていく大切なものを私は笑顔で見送っていた。
「そんなものでしょ」と言い聞かせながら自分から幸せを手放した。残ったのは何もない私。空っぽな空虚な存在。
だけど本当は違っていた。
今回、同窓会に参加してからの流れを経験して分かった。私はどこかやっぱり諦めてなくて、心が満たされるような何かを求めていたのだ。
往生際が悪い。無様でみっともない。私は何度も思いを否定した。
だけど周りの人たちは、そんな私をあざ笑うかのように振舞った。
木崎は嫌なヤツだけど、過去の経験から自分の思いに忠実で、なにより行動力があった。
緑川は普段はだらしのない男だけど、好きな人の前では一途で、迷いがなかった。
真美ちゃんも子供でありながら、周りを気遣い、自分を犠牲にしようとしている。
赤石だってきっと木崎さんのために色々と動いているんだ。
彼、彼女等を見てきて、私が蓋をしたと思っていた心の箱はゆっくりと確実に開こうとしていた。もしかしたら、もう漏れでているのかもしれない。両親、恋人、友達、仕事、皆離れていく。やっぱり嫌だよ。
終らない何かが欲しい。永遠に私から離れないものが欲しい。それは人かもしれないし、違うかもしれない。ただ、自分に寄り添ってくれて、不安を取り払ってくれるような、安心する存在。
ずっと由実は聞いてくれた。良い頃合を見計らって相槌をうってくれる。今はそれだけで十分だった。形として伝えられそうな事を話した後、私は呟くように言葉に出してしまう。
「……幸せになりたいよ」
しばらく沈黙が続く。由実が受話器越しに「ふう」と息をしたのが聞こえた。
そして一言が私の耳へと届く。
「やっと話してくれたか」
更新は1~2時間後(100%)
(録筆です)