2/12 22:41 『永遠なるもの』
今回のコメント。
ファミレスでずっと鼻水が止まらなかったわけですよ。
花粉です。確実に。
だから人が多いところは嫌なんだよ!
その証拠に自室に戻ったらピタッと止みましたからね!
くそう。こんな先取りいらんのに!
***********************************
私は特に何もしていないのだけれど、あの場所にいたのは確かだ。赤石が木崎とどういう関係があるのか知らないけど、ここは逃げたほうが身のためかな。私は半身の体勢を取った。
「わーっ、違う! 待て手荒なことはしない」
慌てたように両手を私に向けて振って、敵意がないことを示している。私は倉庫での彼を思いだして、少し笑いそうになった。あの時もたしかこんな風に慌ててたっけ。
私が口元に手を当てて震えていると、赤石は腰に手を当てて、ジト目で私を見る。
「そんなに笑うところじゃないだろ」
「だって、あの時もそうやって慌てて……」
と言いかけて、ようやく気づく。これじゃあバラしたのと同じじゃない。赤石を見ると勝ち誇ったように笑っている。私は口元に当てた手を握りしめて、咳払いをした。
「やっぱり、あの時、お前はデブリと一緒にいたよな。デブリはクリームの力で顔が変わっていたけど、お前は変わっていなかった。だから分かったんだ」
「そこから緑川の居場所も突き止めたと」
「まあな。ところで二人……付き合っているのか?」
「はぁ――ーっ!? ないし! 絶対そんなことないし!」
いきなり何言ってんのこの人。私は全力で否定した。すると、赤石は頭をかきながら、「謙遜しなくていいのに」と言った。誤解だから! 謙遜の意味も違うから!
「まぁ、いいや」
良くない。全力で否定する機会を与えてください。という私の心の叫びは無視された。
「デブリとまともに会話が出来るのは大木だけだろうから。聞いて欲しい」
赤石がまた真剣な表情に戻したところで、私もつられて少し表情を引き締める。
「デブリの企みは知っているか?」
「企み? 知らない」
「デブリは開発段階のイケメンクリームのプロトタイプを盗み出した。それは知ってるな」
確か本人が言うには、仲井戸をおびき寄せるためだって聞いたけど。私は相手の話を引き出すためにとりあえず頷いた。この辺り仕事のノウハウが生きている。
「アイツは『サンタ計画』というものを立案していたんだ」
『サンタ計画』? 真美ちゃんの願いを叶える計画のことかな?
だけど赤石の表情は相変らず真剣なままだ。
「クリスマスイブの夜に性犯罪者を幼女を襲わせるという計画だ」
「な、何言ってるの? そんなわけないでしょ」
「残念だが、証拠も掴んでる。ウチの記者が計画の一部始終を掴んでいた。潜入取材をして、幼女の家に忍び込むという説明を受けている。そして実際にデブリはプロトタイプを盗み出した」
私はまるで信じられなかった。真美ちゃんに対する態度だって、とても襲う雰囲気には見えなかったし……でも、赤石が言ってるし……誰を信じたらいいの?、
「デブリの雇い主でもある木崎もそう言ってた」
この一言で私は嘘だと断定した。
次回の更新は1~2時間後(60%)
だんだん低く……。




