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2/10 1:32 『永遠なるもの』

今回のコメント。


平日はやはりこれぐらいしか書けないなぁ。

よっぽど調子よければいいけど、今はどっちらかというと下降気味な気がする。

……が、んなこと考えてないで書けよって気もするので、進み続ける!



***********************************



 ゆっくりと事実を確かめた。


「ねえ、真実ちゃん。お母さんは今も苛められてるの?」


 すると真実ちゃんはすぐに首を振った。私は内心ホッとした。どうやら警察沙汰になることはないようだ。


 それにしても真実ちゃんの秘密に一気に近づいていく。急に距離が縮まったので、正直私は戸惑った。それだけ彼女は思いを胸の中にしまっていたのかもしれない。


 真実ちゃんは話を止めようとはしなかった。


「おとーさんとおかーさんは別れたんだって。もう一緒に暮らす事はないんだって」


 私の心臓が一つ大きく鼓動した。一瞬視界が狭まった気がする。私は額に手を当てて俯いた。閉じていた蓋から少しだけ顔を出す何か……


「大丈夫?」


 覗き込む真実ちゃんが見えた。私は今出来る精一杯の笑みを向けた。すると真実ちゃんも同じような笑みを向ける。触れてはいけない一歩手前で笑いあう私達。


 だけど現状を確かめないと。私は心の中では極めて事務的に、言葉では優しく子共に向けて話を続けた。


「それで今、真実ちゃん家はどうなってるの?」


 ボールをもったまま真実ちゃんは俯いた。


「おかーさん、夜に働いているからお昼まで寝てるの。だから私、ここにいるの」


 睡眠の邪魔にならないように、もしくは追い出されてここに来ているのかもしれない。

 俯いていた真実ちゃんが顔を上げて、私に笑いかける。だけど作り笑いだってすぐ分かった。自分にも覚えがあるから。


「だからね。真実ね、おかーさんに大丈夫だよって言いたくて、サンタさんにお願いするの」


 まさか、この状況で願いを聞けるとは思わなかった。私は慎重にならないようになるべく暢気に言った。


「そうなんだ。真実ちゃん。明日クリスマスイブだけど、ここに来るの~」

「うん。だってサンタさんがくるって緑のおじちゃんが言ってたもん」


 そこまで手を回していたか。っていうか緑のおじちゃんって……

 私は調子を合わせるべく、わざと驚いてみせた。


「ええっ!? サンタさん来るの? じゃあ、私も来ようかな~」

「うん。お姉ちゃんもお願いをかなえて貰えればいいと思うよ」


 ここだ! と決めて私は言葉を継いだ。


「そうするよ。じゃあ、何をプレゼントしてもらおうかな~。真実ちゃんは何をお願いするの~」


 すると真実ちゃんは目を丸くして私を見つめる。ホンの少しの時間だろうけど、長時間に感じた。


 そして、彼女の口が開いて願いを答える。


「笑顔だよ」


 私の胸を何かが締め付けた。

 真実ちゃんは、ボールを弄びながら、笑顔で言った。


「いつも笑っていられるようにしてもらえるの」




今日はここまで!

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