2/8 1:00 『永遠なるもの』
今回のコメント。
今日、「麦茶は冬飲むものじゃねえ」と言われました。
えっ? 駄目なの?
と一年中麦茶を飲んでいるリープでした。
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公園に戻った私たち、三人で改めてボール遊びをする。緑川とすっかり仲良くなっていた真実ちゃんは楽しそうだ。私が初めてここで遊んだ時のような雰囲気になる。全てが順調に動き出していた。
だけど心のもやもやが取れない。昨日までの頑張りってなんだったんだろう。
私と緑川は遊び疲れてベンチに座る。真実ちゃんは一人でボールを蹴ったりしている。子供は元気だ。二人とも無言で真実ちゃんを眺めている。
なるべく話しかけて欲しくない。そう思っていた。まだ心の棘は取れていない気がしたから。
だけど、他人はそんなの構ってくれない。さっきから緑川がこちらをチラチラ伺っている。私はため息をした。
「なに? 用があるなら言いなさいよ」
すると緑川は頭をかきながら照れくさそうに言った。
「大木さん、ごめんね」
「なんで謝る」
『謝るのは私だ』と言いかけて止める。私が遅刻して困ったのはコイツのはずだ。だけど言葉には出せなかった。
「いや……実は約束の時間に来たとしても僕はいなかったから。早めに家をでたんだ」
「はぁ? なんで?」
すると緑川は上着のポケットから何かを取り出した。私は緑川の顔と取り出したものを見比べながら受け取った。
「写真?」
良く見ると三田(イケメン緑川)と緑川が並んで写真に写っていた。事情を知っている人間ならこれが合成写真だとすぐ分かる。私は顔を上げた。
「昨日、大木さんが帰ってから急に思いついたんだ。二人の僕が仲良しだって証明できたら、もしかしたら仲良くしてもらえるかなって」
なるほど。確かにこの手は思いつかなかった。緑川はペコリと頭を下げながら言葉を続ける。
「相談もせずに勝手に行動して、ごめん」
私はどう反応していいか分からなかった。素直に緑川の案を褒める? それとも、出し抜かれたことを怒る? ……正直どちらも出来ない。
こんな時、私はやっぱり、お得意の貼りついた笑いをしてしまう。そして、気にしないフリをして良い人を演じるんだ。今度も上手く笑えるはず。
「別にいいよ。どうせ私じゃあ思いつかなかっただろうし」
「良かった」
緑川が本当にホッとしたような笑顔を見せる。安心感を私にぶつけてきた。
――私の笑顔にそんな笑顔で返さないでよ。
「良くない」
気がつけば、私は声に出してた。
今日はここまで!




