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2/6 22:45 『永遠なるもの』

今回のコメント。


ちょっと冷静に考えてみると、あと二週間ぐらいかかりそうです。

後もう少しだけ『永遠なるもの』にお付き合いください。



***********************************



 そして三日目になった。今日なんとかしないと明日の「お願いを聞く」には到底たどり着かない。

 私はいつもより早く緑川の家に行き、打ち合わせをした。だけど、あまりに打ち合わせに熱中しすぎて少し時間が過ぎてしまった。


 急いで公園へ行く道すがら、二人とも無言で走る。私は頭の中で何度も場面を想定した。やがて公園が見えてくる。遊具の配置も木々の生え具合も何一つ変わらない。いつもの場所。

 唯一変わった事と言えば、ベンチに誰も座っていなかったってこと。


「そんな……」私は自然と呟いていた。

「こんな日もあるよ。約束していたわけじゃないし」

「はあ?」

「……なんでもありません」


 緑川を睨みつけて無意味に怯えさせる。

 確かに毎日約束してたわけじゃないので、いないこともあるだろう。だけど、なんで、よりによってこんな日に……うかつだった。


 私が現役だったら、こんなミスはしなかったはず。確認リスト作って忘れないような努力をしたはずだ。一生懸命頑張って立てた計画が無駄になった瞬間だった。


 頭によぎる少し前の事。会社に泊まり込んで少し仮眠を取ろうとソファで寝てた自分。目が覚める。誰もいないオフィスが急に広く感じた。目の前にはやりかけの仕事。明日が締め切り。誰も手伝ってくれるわけ無いので、同じ場所で止まっている。


 まだやらなきゃと思ってソファから起き上がる。瞬間的に景色が揺れた。地震ではなく自分が揺れる。つかまりどころがなく倒れてしまう。そのまま意識を失った。気づいたら病院だった。


 誰もいない公園が、あのときのオフィスと重なったのだ。

 私がちゃんと体調管理してたら締め切りに間に合った。

 真美ちゃんに確認を取ってたら、もっと計画を早めたのに。


「ごめん。私のせいだ」


 口から出た言葉にはっとする。ゆっくりと緑川を見た。


「しょうがないよ。明日もまた来よう」


 緑川は私を見て微笑んでいる。瞬間的に私は緑川の足を蹴飛ばした。怒ってくれたほうがましだ!


 そのまま私は公園を立ち去った。緑川が急いで付いて来る。なんだかそれだけでも腹が立った。八つ当たりだ。分かってるよそんなこと。




次回更新は1~2時間後(65%)


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