2/5 2:56 『永遠なるもの』
今回のコメント。
この辺はキャラ同士の対話というよりは、自分同士の対話に近くなるよね。
弱気な自分と励ます自分みたいなね。
とりあえず、ドライブにも行きたいし、ご飯も食べたいので、現実逃避だ!
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「だから嫌なんだよ。いつもいつも脇役ばっかり……」
私は込み上げる思いに段々耳が遠くなってくる。
正確には心音が頭に響いているけど、緑川の声が聞こえてくる状態だ。
「主役をはれる人は皆ちゃんと人並みの生活を送ってる」
我慢、我慢。緑川はただ愚痴りたいだけだから。きっとそう。
「好きな人もできて、両思いになったりしてるんだ。ただイケメンで主役だってだけで!」
あーあーあー、聞こえない聞こえない。気にしない気にしない。
「脇役はね、ごく普通の幸せさえも掴む事ができないんだよ」
……駄目だ。やっぱり無理。私は強引に口を挟んだ。
「馬鹿じゃないの?」
言ってしまった。だけどもう止まらない。
緑川は目を細めたままで私を見る。なにこの反抗的な態度。
「映画やマンガがいつもイケメンが主人公とは限らないでしょ。イケメンと主役は関係ないんだよ!」
私が言い切ると、しばらく無言でこっちを見つめてくる。言い返す気満々の表情だ。そして予想通り緑川は小さくため息をついたあと、返答した。
「勇気づけてくれているのかもしれないけど、そんなこと言ったところで僕が主役になれないのは変わらないよ」
「はぁ? 誰がアンタを勇気づけてるですって? 馬鹿じゃねえの? 調子に乗るな! これは暴言だよ」
完全に私は我慢できなくなってしまった。客観的に「私、怒ってる」と思う自分がいる反面、勢いのまま言葉をぶつけようとする自分がいた。
「脇役、脇役って言うけど、アンタは何か努力したの? 主役になれる努力したの? いぶし銀の役者になれるように努力したのかって聞いてるんだよ」
「努力したってなれる可能性はないよ……」
「勝手に決めるな。それは相手が決める事だ。つーか、あんた脇役でもなんでもないわ。エキストラだよ。台詞もない通行人程度なんだよ!」
言い切ってしまった……
よく見たら緑川が涙目だった。さらに震える唇で抵抗を試みる。
「……知ってるよそんなこと」
そんな目で私を見ないでよ。本当は私だって知ってるんだから。言えば言うほどどんどん落ち込む緑川に苛立ちを覚えてくる。いや、自分に苛立っているんだろう。
ああ……こういうの嫌だ。全部自分に返ってくるから。
休憩だ! 休憩!
いつまでかは明記しない。
気絶するかもしれないから!(気絶予告?)