2/4 20:40 『永遠なるもの』
今回のコメント。
なんだか一気に緑川の性格が変わった気がしますが、外見が変わっているのでメンタルまで影響を及ぼしています。
外見にコンプレックスがあると、こんなものだと思うのです。
「なんで?」って思っている人は、外見に自信がある、もしくは疑問に思わないほどイケメンなんだよ!
(ブサイクの僻み)
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それは立ち去る最後にみた樅山という記者の姿だった。緑川は失敗したと言っているけど、実際は元に戻っている。私は緑川のほっぺを掴んでねじった。
「あ痛たたたたたたっ!」
「うるさい。嘘つくからだ」
緑川はほっぺを摩りながら、涙目で私をみた。くそう……こんな奴に一瞬でも心を開い自分に腹が立つ。
「私は見たの。倉庫を出る時に樅山って記者が元の姿になる所を」
すると緑川は目を丸くした後、横を向いた。
「ごめん。信じてもらえないかと思って嘘ついた」
「どんな嘘」
「僕がイケメンクリームを使って人の願いをかなえることが出来ること」
自分はサンタだかなんだか言ってたアレか。確かに言葉だけなら信じなかっただろう。
「信じるもなにも、この目で見たからねえ……」
「信じてくれるの?」
私は頷く。すると緑川はご主人様に会えた犬のように嬉しそうな顔をした。なんだか苛めたくなる顔してる。
「だけど疑問がもう一つ。樅山っていう記者と緑川は同じクリームを使ったのに、なぜアナタだけがそんな力を持ってるの?」
「それは……僕が使ったのは、研究所から盗んだプロトタイプだから。樅山が使ったような量産タイプではないから。ちなみに量産型は色々と能力的にスケールダウンさせているんだ」
プロトタイプだとか量産型だとか、ロボットアニメに出てきそうだけど、この際無視する。ロボットプラモデルだけ作って遊んでばかりいた元彼を思い出すから。
つまり、緑川が使っているクリームが基になっているわけだ。そして、樅山が返して欲しかったのもあのアタッシュケースに入ったプロトタイプだったってことだ。
さらに緑川は話を続けた。
「表向きは南米の魚から取ったエキスって事になっていると本当は少し違うんだ」
緑川がこっちを一瞬うかがう。私が口を尖らせると、慌てて話し始めた。
次回の更新は1~2時間後。(77%)