表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
408/539

2/4 1:33 『永遠なるもの』

今回のコメント


考えてみたら、自分の作品って男女でなにかを解決する話が多い気がした。

たまには同性感の強い作品も作ってみたいなぁ。(薔薇・百合とかじゃなくて)



****************************************



「いいよ。ここにいたほうが安全かもしれない。知り合いばかりだしね。やっぱり、あの時無理やりにでも家に返しておくべきだった」


「あの……」


 私は何て言っていいのだろうか、分からない。無理やり付いてきたのは私だ。


「僕と離れて、彼らと合流するといい」


 俯く私に彼の少し沈んだ声が聞こえた。同時に少し前の会話が脳裏をよぎる。


『ただし、何があっても僕から離れない事、それに驚かない事』

『ありがとう。驚かない事は約束できないかもしれないけど、離れないよ』


 私は『離れない』と約束した。どうでもいい口約束かもしれない。

 だけど……私の中で裏切れない思いがよぎる。

 それは今まで私と関わった人たちのことがあったから。

 皆結局は離れていった。本気で信じたって仕方がない。

 ここは笑って誤魔化そう。そう思った。


 じゃあ私はどうなの。

 簡単に離れちゃうの?

 人は勝手なものだと思った私自身が一番勝手じゃないの?


 ――私は、「私」も「関わった相手」も裏切りたくない。


「じゃあ、僕は行くね」


 三田が歩き出そうとした時、私は手を伸ばした。

 それは決定的な瞬間になったのかもしれない。彼の腕をしっかりと掴んだ。


「私も行く」

「大木さん?」

「離れないっていったから。それは嘘じゃないから」


 顔が変わったからってなんなんだ。さっきから私に対する態度はまるで変わってないじゃないか。私をかばって引き寄せ、前に出てくれた。彼は約束を守って私を離さないで、連れて行ってくれようとしたじゃないか。


 だったら、私も答えなきゃ。非常事態? 確かにそうだけど。非常事態こそ、大切にしなきゃいけないことがある気がする。


 私は顔を上げて自然に笑いかけていた。


「私を連れて行って」

「……分かった」


 彼は私の腕を力強く握って走り出した。

 私も負けないように走る。




今日はここまで。

(無理はしない)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ