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1/30 4:02 『永遠なるもの』

今回のコメント。


結局、目標の半分ぐらいしかかけなかった。

完全に文章量を見誤ったと思う。

だけど、大木の過去だけはきちっと書きたかったので、実はあまり後悔していない。

なんとしても今週中には終らせたいなと思います。



***********************************



 十数分後、タクシーは目的に到着した。お金を払おうとする彼を押し退けて私がタクシー代を支払った。これ以上貸しを作るわけにはいかない。タクシーを降りると目の前には大きな倉庫が建っていた。プリンセス通販と書かれた看板が入り口にかけられている。


「ここに用があるの?」


 私が質問しても彼は無視をした。無理やりついてきた事を怒っているらしい。私がため息混じりに彼を追い越して倉庫に入ろうとした。


「本当にここで帰ってくれないか?」


 彼が強い口調でとがめた。私は振り返って「嫌」と言うつもりだった。でも、振り返ったところで言葉を飲み込んだ。彼が深々と頭を下げていたから。


「君を危険な目にあわせたくないんだ。頼むよ」

「ちゃんと説明して」

「できない。……というか言っても信じてもらえない」


 相変らず頭を下げたままの彼に私は慌ててしゃがみ込んで目線を合わせた。私に身の危険があるとすれば、確実に彼にも身の危険があるということだろう。放っておけるわけない。


「そりゃ、私は昨日会ったばかりの人間だけどさ、言ってみてよ。信じるから」


 借金かな? 男女のもつれ? それとも薬の売人? 私だって駄目人間達と付き合っていたから大抵のことなら驚きはしない。


 私と地面を交互に見つめ、言いづらそうにしている。私は彼が言うまで待つしかない。せめて安心してもらえるように笑わなくちゃ。笑顔見せるのは得意だし。私はいつもの貼り付いたような笑顔を彼に見せた。彼はそれを見て安心したのか、重い口を開いた。


「僕の魔法が解けて、怪物が現れる」

「……は?」


 馬鹿にしているの? 真面目に対応した私が馬鹿みたいだった。


「真面目に答えてよ!」

「真剣なんだよ!」


 私の剣幕と同じぐらい真剣な表情で彼は私を見つめてくる。二人の睨み合いが続いた。なんなのよ一体……私はわけが分からなかった。


「頼むよ。ここで帰ってくれ。君に失望されたくないんだ」

「嫌」

「分かってくれよ」

「アナタの言っている事が本当かを確かめるしかないでしょ。普通信じないよ、そんな言葉」

 こうなったら意地だ。彼の言っている事が本当だとしてもついていく、という選択肢を取るしかない。おいてけぼりはもう嫌だ。私はいつの間にか彼の二の腕をきつく握っていた。


「……はぁ。分かったよ。付いて来ていい」

「本当?」

「ただし、何があっても僕から離れない事、それに驚かない事」

「ありがとう。驚かない事は約束できないかもしれないけど、離れないよ」


 すると彼は目を大きく開いて、私を見た。その後すぐにため息をついて倉庫を指差した。


「急ごう。約束の時間はもうすぐだから」


 倉庫へ歩きだした彼に私は急いで付いていった。




今日はここまでです。


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