1/29 8:23 『永遠なるもの』
今回のコメント。
いかん。
また長編みたいな書き方をしている。
時間が掛かる原因だとわかりながら、上手く調整が出来ないなぁ。
とりあえずこのまま書くか。
ただ、ちゃんと書くことは悪いことだと思ってませんよ。
(だから直らないんだろ)
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その時、誰かが近づいてくる気配がした。私は一端寝たフリをする。足音がどんどん大きくなり、私が寝ているソファの前で止まった。見られている……と思い、私は身を固くした。すると「ふう……」という声が聞こえ、足音は遠ざかった。
ため息? 私ため息つかれた? やることやって後は面倒くさいってこと?
なんだか急に腹が立ってくる。私は勢い良く起き上がった。部屋周りを確認する。テレビ、ベッド、本棚、奥にはシステムキッチン。どうやらここは男の部屋らしい。ラブホじゃないだけましか。いや、自分の部屋に連れ込むほうが立ち悪いのか。
ぐるりと見渡した最後には男がこっちを凝視している姿が見えた。顔はなかなかのイケメンだ。鼻筋が通ってて彫りもそこそこ深い。のっぺりとしたアジア系ではなく欧米系の顔だち。眉も太い。目も大きくて、唇も厚く……って、吟味している場合じゃない。私は睨むように男を見た。すると男はようやく我に返ったのかコチラに近づいてきた。
「やっと目が覚めた?」
私は一二歩後退した。男は近づくのを止め、手に持っていたコーヒーカップを前に出した。他意のないことを伝えたいらしい。気づけば両手がカップを持ってふさがっていた。
もしかして私の分も用意してくれてたってこと? ……すぐに追い出す気はないみたい。さっきのため息も私がまだ寝てたからだろう。……一杯ぐらいなら飲んでもいいか。ちょうど喉が渇いてたし。
私はコーヒーを受け取る。ホットミルクだった。口をつけると少し熱くて私は小さく「熱っ」と言って、反射的に離れた。「あはは、気をつけて」なんて言いながら男も飲み物に口をつける。同じように「熱っ」と言いながら音を立てて飲み始めた。
『気をつけて』なんて言われて飲み物を飲むなんてどれぐらいだろう。暖かいミルクが私の喉を通過する。少し酔いのせいで火照った体には冷たい水が飲みたいところだけど、これはこれで悪くない気がした。
私がミルクを飲んでほっと一息つくと、男は話しかけてきた。
「申し訳ないけど、服は着替えさせてもらったよ」
話しながら笑顔を私に向ける。きっと善意からの言葉だろう。彫りの深い顔から見せる笑顔がなんだか造形美を感じさせるけど、決して作り物の笑顔じゃない。なんだかその笑顔が昨日の出来事を思い出させて、私の心に引っ掛かった。同時にすでに知り合いかのような口ぶりに私は少しムッとした。
「……どういうつもりですか?」
私の言った意味に気づいたのだろう、男は急に慌てたようにコーヒーカップを机に置き、落ち着いてと言わんばかりに両手を私に広げた。
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