1/28 8:13 『永遠なるもの』
今回のコメント。
ふい~、とりあえず切りの良いところまで行ったはず!
さぁ、3とのつながりが少しずつ出てきました。
果たしてどうなるか?
あっ、この場合の「果たしてどうなるか?」は、執筆が日曜日中に終るかどうかの問題ですよ?
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私に絶望的な感情が芽生える。その先は言わないで欲しい。
だけど、木崎から言葉は漏れてしまった。
「だってアナタ、本気で笑ってないもの。昔の私みたいに」
頭の中から外に向けて衝撃が走った様に私は揺れた。なんとか畳みに手をつき、体勢を整えた。さらに木崎の話は続く。
「笑顔は他人との接触を遠ざける事ができるけど、自分への負担は大きいから……私の経験上」
私の唇は震えながら、何とか理性を保っていた。
木崎は正座をして姿勢を整えて、言葉を投げかけた。
「それに『独りでずっと生きたい』なんて言わないで。永遠に独りなんて悲しいよ」
何の権限があって言うの? もう聞きたくないって言ってるのに!
「私は誰かとずっと寄り添える永遠が欲しいな」
本当に止めて。可愛そうじゃない、悲しい存在なんかじゃない!
強く反発するように私は声を発する。
「永遠なんてねえよ」
しかし間髪入れずに木崎は、当たり前のように答えた。
「ある。でも、それは自分で作らないといけないけどね」
――今まで自分で作ろうとしたけど、全部駄目だったんだよ。
私は自然に立ち上がって大声を上げていた。
「ふざけるなっ! いつまでも夢みたいなこと言ってるんじゃねえよ!」
辺りが一斉に静かになる。私以外は誰も立ち上がっていない。皆の視線が私に集まっている。一気に血の気が引いていくような感覚になった。
ゆっくり下を向くと、木崎は笑顔を私に向けていた。
皮肉にもその笑顔は昔に限りなく近かった。そして彼女はぽつりと言った。
「だって本当のことだから」
私は木崎の胸倉をつかみたい衝動に駆られた。だけど、一度叫んだせいか理性が働き、一瞬我慢して周りの状況をうかがう。
――偶然目が合ってしまった。その瞬間すぐに分かった。
赤石が私を見ている。大きく目を開いて私を見ていた。少しもっさりした感じだけど、間違いなく彼だった。私は視線を外すように俯いた。
感情のジェットコースターはレールを外れ、池に落ちてしまった。一気に恥ずかしさが私を襲う。最悪だ。取り繕った何もかもが台無し。小学生時代の女子の代表みたいな立場も、求職中だけど上昇志向な私という立場も、全部がくずれさった。
残ったのは精一杯虚勢を張って、化けの皮がはがれた三十路女。
私は逃げるように走りながら、宴会場を後にした。
今回はこれにて終了!
つーことで一休み一休み~♪