1/28 0:16 『永遠なるもの』
今回のコメント
今日の夕食
豚肉のソテー。
里芋とミンチの甘辛煮
以上!
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なんだか近づいた負けのような気がした。この場合の勝ち負けはよくわからないけど。私は視線を外して元の輪の中に入った。だけど耳は隣の輪の中から離れない。気にしたくなくても情報は流れ込んできた。
どうやら木崎は自ら人材派遣の会社を設立して社長をしているらしい。最近では通販も始めたらしくて、周り人たちはとりわけ美容に関する商品に興味を惹かれているらしい。
人材派遣の会社か……私も厄介になろうかな、とか考えて慌てて頭を振った。
自然に私は木崎を横目で何度も見ていた。社長になったせいなのか、表情豊かになっていた。ヘラヘラしていた笑顔は何種類も増えてるし、よく話すし、相手の話もよく聞く。周りは自然に引き込まれていく。
会社内での私とは大違いだった。それだけに心のささくれに触り、傷口を広げていた。
もうこれ以上はいいや。私だけ置いていかれるような気持ちが加速した。由美もいなくなった。小学生の皆はそれぞれの生活を持っている。私は……手放したばかりだった。
この輪の話題が一端次で途切れたら、退出しよう。そう、これで終るはずだった。
「ねえ。大木さんだよね」
嫌な声が背後から聞こえた。私はお腹に力を込めて振り向く。
すると予想通り木崎由貴が立っていた。
「やっぱり大木さんだ。お久しぶりね」
大袈裟に両手を合わせながら、私の隣に座る。みんな雑談しているように見えるけど、こっちに意識が集中しているように思えるのは私の気のせいだろうか。木崎は笑顔を絶やさず私に対している。どういうつもりだろうか。もしかして昔の報復?
確かに報復されてもしょうがないよね。私が木崎をイジメてた理由は単なる嫉妬だから。赤石と仲が良かった彼女が羨ましかっただけ。
私は小学四年生の頃、赤石が好きだった。理由は大したこと無いと思う。たまたま野球の練習を一生懸命しているのを見て、教室内でのギャップを感じたから。とはいえ、遠くから見ているだけだった。
でも私はあることを思いついたのだ。それは同じ野球部に入ること。
さて、次回更新は1~2時間後!(70%)
微妙な数字だ!