1/27 17:24 『永遠なるもの』
今回のコメント。
つーことで、今回はお話重視で行った方がいいのではないかと考えました。
思いを書くだけならきっと5だけで良いんですけどね。
だけど、きっと「クリスマスは強盗と」と変わらないものが出来そうな気がします。
単純な繰り返しを取るか、繰り返しの中にも少しずつ変化を入れるか、書く人の好みやポリシーに関わってくる事柄です。
(正誤の問題ではなく、選択の問題ですね)
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「行ってきなよ。最近、部屋に閉じ籠りっきりでしょ」
「でもさ。今無職だし、肩身狭いよ」
「大丈夫だって。色々な人が来てるよ。きっと。それに……」
「なに?」
「初恋のあの子も来てるかもよ」
「はぁ~!?」
瞬間的に一人の男の子が脳裏に浮かんだ。背が小さくて、強気で、ぶっきらぼうだけど実は優しさを持った子、赤石史家君。
なんだか急に気恥ずかしい気持になって、頬が緩んでしまった。由実は私の変化を見逃さない。「よかった」と前置きして、私の手をとった。
「やっと笑ったね」
「……え?」
「気づかないとでも思ってるの? 入院してた時に再会してから、美佳の笑顔はずっと固いよ。営業スマイルみたい」
「そうかな? 私は自然に笑っているつもりだけど……」
「とにかく、気分転換になると思うけど」
「でも……」
「しがらみのなかった小学生時代の仲間に会えば、もう少し柔らかく笑えると思うよ」
いくら会社時代からのクセとは言え、私はわざと笑っているつもりはほとんどなかった。改めて指摘されるとそうなのかなと思う。
考え方によっては、人に言われないと気づかないぐらい笑顔が板についてたのかもしれない。
由実は鼻で息を軽く出すと、手紙を私に見せた。
「よし、私が出席って書き直しちゃおう。ちなみにハガキの端に『赤石君いますか?』って書いてあげる」
「ちょっと、待っ……ええっ!?」
私は由実の両手を掴んで、押し問答になる。由実はニヤニヤしながらも、もの凄い力で手紙に文字を書こうとする。「裕輔、美佳を抑えてよ!」という声に木根君は動き出そうとするけど、私の体をどう掴んで良いかわからず、おろおろしている。
……っていうか、私達何しているの? 少しおかしい。でも心が少しだけ踊った。
「美佳、今現在直接できる精一杯のお節介だよ。私が居なくなったらこんなことできないからね」
由実の言葉で自然に私は力が抜けてしまう。それでも笑顔は変わらない。寂しさもあるんだけど、彼女のお節介が嬉しかったのかもしれない。
不可抗力にしておこう。由実が行けっていうから行くんだよ。
こうして、私は同窓会へ行くことになった。
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