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1/27 2:30 『永遠なるもの』

今回のコメント。


ところがどっこい起きている。


当初、『永遠なるもの』はここから始まる予定でした。

だけど、ちょっとした思い付きから1~4まで付け足されました。

付け足しの方が多いボリュームですが。


気にしない、気にしない。

まだ結論辺りがあやふやだけど、とりあえず始めてみることにしました!

よし、やるぞ!



***********************************



5『永遠なるもの』


「うん。良いと思うよ」


 私は友人に笑いかけた。瞳を細め、口角を上げた。


「ありがとう、美佳みかがそう言ってくれるとホッとする」

「だって由実ゆみ、いつもそれ言ってたもんね」


 友人の由実は大学生の時からの仲なので、かれこれ十年ぐらいの付き合いになる。この度、両親が経営する旅館の跡を継ぐべく、郷里に帰ると言う。もちろん彼氏も付いていくらしい。


 わざわざ私の住むアパートまで報告に来てくれたことは嬉しかった。やっぱり友達だなって思う。だからやっぱり笑顔で対応しなくちゃ。


「美佳が大変な時に本当にごめんなさい……力になれなくて」

「別に良いよ。会社を辞めたのは私の都合だし」


 再び私は由実に笑顔を向ける。すると彼女はすこし申し訳なさそうに俯いた。

 私は閉じた口に力がこもり、由実の両手を掴んだ。


「第二の人生、頑張ってね」


 由実は黙って下を向きながらもニッコリと微笑み返してきた。握った手に力が籠もる。


「だけど、心配だよ。美佳って寂しがり屋だから」

「あのね~、幾つだと思ってるの? もう三十だよ」


 私は小さく舌をだして、おどけて見せた。だけど由実は笑ってくれない。眉をひそめて、真っ直ぐな瞳を私に向けた。


「年取ってからの方が寂しさは募るよ」

「うん。知ってる。でも、もう慣れたし」

「慣れるわけないよ。何かあったら連絡しなよ」

「大丈夫、大丈夫。それよりも自分の事を心配しなさいよ」


 それから由実の今後の話に話題が移り、私への心配はどこかへ飛んでいってしまった。

 一時間ほど話した後、由実は慌てて立ち上がった。


「美佳、じゃあ行くね」

「うん。直前になったら、送別会やりますか~」


 私は「えいえい、おー」なんて言って笑顔でおどける。由実も合わせておどける。


 うん。しかたないよね……


「送別会は木根君も連れてきて良い?」

「いいよ~、将来の旦那さんだもんね」


 「これからの人」に「残る人」の気持ちなんか分からないだろうし。


 友達を玄関から送った後、私の笑顔は張り付いたままだった。

 止め時が分からなくなったのだ。


 「へらへらしてるなぁ……」と我ながら思い、苦笑していしまう。

 独りになっても笑ってるし。部屋に帰って写った鏡に問いかける。


『また今回も本気になった途端逃げて行ったね』





今日はここまで。(短っ!)

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