表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
369/539

1/25 2:00 『永遠なるもの』

今回のコメント。



正直な話。

今週中(日曜日まで)にケリをつけたい。


しかし……次がどれぐらいの規模で終るか予想ができない。


なぜならプロット組んでないから。(組めよ)


頑 張 り ま す !



***********************************



 夕暮れの公園でほんのひと時を過ごすだけの関係。

 そんな日々が続きました。

 いつも女の子は笑っていました。

 その笑顔を見ているだけで、心にじわりじわりと暖かい何かが広がっていきました。


 夕日を背にゆっくりと流れいく時間。

 永遠が怖かったはずなのに、いつしか心地よく感じていました。

 今まで人と一緒にいるだけで満たされるという感覚はありませんでした。


 しかし、欲望の限りをつくし、永遠の命を得て、世界中を流れ、幾多の経験をし、すっかりくたびれた先に待っていた安息。

 それはかけがえの無いものだとわかりました。


『清きもの』とは女の子の事ではないだろうか?

 男は喜び半分と恐怖が半分です。

 願いを叶えたらこの関係も終ってしまう。

 もしかすると自分が死んでしまう。

 あれほど死にたいと願っていたのに。

 女の子の願いを聞くことをためらいました。



 今の関係がずっと続けばいいなと考えていたある日。

 いつものように男は女の子の元へ向かいました。

 すると女の子は俯いていました。

 男は女の子の表情を覗き込みました。


 いつも笑顔だった女の子の顔が涙で濡れていました。


 今まで人を人とも思わなかった男が、初めて動揺しました。

 世界中の花がしぼんでしまったかのような悲しみに覆われました。

 同時に笑顔になって欲しいと心から思いました。

 そのためならどんな手段を使っても構わないとも思いました。


 この状況に耐え切れなくなった男は女の子に泣き止んで欲しいと頼みます。

 涙目でこちらを見つめる女の子に男は胸が締め付けられます。

 そして……

 泣き止んでくれたらなんでも願いを叶えると告げました。

 女の子は最初不思議そうな表情をしましたが、手を差し出し、男の腐った腕を握って言いました。


「ずっと私のそばにいてくれる?」


 男は言葉に詰まりました。自分の真実にたどり着いたからです。

 自分は死にたいわけではなかった。

 寂しくて誰かと繋がっていたいんだと実感したからです。

 女の子がなぜ泣いていたのかは分かりません。

 しかし、理由どうであれ、初めて見返りを求めず、願いをかなえてあげたいと思いました。

 それが男の願いでした。


 だとすれば、もう返事は決まっています。

 男は女の子へ表情の無くなった顔で、精一杯の笑顔を向けて言いました。


「その願いかなえよう」


 言葉をいい終えた男は静かに瞳を閉じます。

 永らく燃えていた命が一つ終わりを迎えました。



4『清きものの願い』 終わり





今日はここまで!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ