1/25 2:00 『永遠なるもの』
今回のコメント。
正直な話。
今週中(日曜日まで)にケリをつけたい。
しかし……次がどれぐらいの規模で終るか予想ができない。
なぜならプロット組んでないから。(組めよ)
頑 張 り ま す !
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夕暮れの公園でほんのひと時を過ごすだけの関係。
そんな日々が続きました。
いつも女の子は笑っていました。
その笑顔を見ているだけで、心にじわりじわりと暖かい何かが広がっていきました。
夕日を背にゆっくりと流れいく時間。
永遠が怖かったはずなのに、いつしか心地よく感じていました。
今まで人と一緒にいるだけで満たされるという感覚はありませんでした。
しかし、欲望の限りをつくし、永遠の命を得て、世界中を流れ、幾多の経験をし、すっかりくたびれた先に待っていた安息。
それはかけがえの無いものだとわかりました。
『清きもの』とは女の子の事ではないだろうか?
男は喜び半分と恐怖が半分です。
願いを叶えたらこの関係も終ってしまう。
もしかすると自分が死んでしまう。
あれほど死にたいと願っていたのに。
女の子の願いを聞くことをためらいました。
今の関係がずっと続けばいいなと考えていたある日。
いつものように男は女の子の元へ向かいました。
すると女の子は俯いていました。
男は女の子の表情を覗き込みました。
いつも笑顔だった女の子の顔が涙で濡れていました。
今まで人を人とも思わなかった男が、初めて動揺しました。
世界中の花がしぼんでしまったかのような悲しみに覆われました。
同時に笑顔になって欲しいと心から思いました。
そのためならどんな手段を使っても構わないとも思いました。
この状況に耐え切れなくなった男は女の子に泣き止んで欲しいと頼みます。
涙目でこちらを見つめる女の子に男は胸が締め付けられます。
そして……
泣き止んでくれたらなんでも願いを叶えると告げました。
女の子は最初不思議そうな表情をしましたが、手を差し出し、男の腐った腕を握って言いました。
「ずっと私のそばにいてくれる?」
男は言葉に詰まりました。自分の真実にたどり着いたからです。
自分は死にたいわけではなかった。
寂しくて誰かと繋がっていたいんだと実感したからです。
女の子がなぜ泣いていたのかは分かりません。
しかし、理由どうであれ、初めて見返りを求めず、願いをかなえてあげたいと思いました。
それが男の願いでした。
だとすれば、もう返事は決まっています。
男は女の子へ表情の無くなった顔で、精一杯の笑顔を向けて言いました。
「その願いかなえよう」
言葉をいい終えた男は静かに瞳を閉じます。
永らく燃えていた命が一つ終わりを迎えました。
4『清きものの願い』 終わり
今日はここまで!