1/16 2:00 『永遠なるもの』
今回のコメント。
どうでもいい、オムレツ話。
実は、オムレツだけでスパゲティ以外で作っている。
しかし、どうしてもアーモンド型にならない。
上手くまとまらない。
これさえクリアすれば全然違うのに~!
(形作りが一番難しいだろ)
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『効果を家で確かめることにした。頬に軽く塗った数秒後、もの凄い顔面への激痛が走る。自分の意思とは関係なく筋肉が収縮しているのが分かる。永遠にも感じた苦痛の時間はおそらく一二分のことだったと思う。痛みが治まり、鏡を見る。すると今までの自分とは見違えるほど、美形になっていた』
馬鹿な。そんなことがあるわけがない。しかし、冗談で樅山が書いているとは思えなかった。こんなことなら同窓会に浮かれずに、樅山と会っていればよかったと後悔した。
『イケメンになった俺はその足で街へナンパに行った』
赤石と星野は一瞬無言になる。しかし、話を進めなければいけないので、赤石は確認した。
「え? いいの? これ?」
すると深いため息をついた星野は頭を抱えながら答えた。
「ノーコメントでお願いします。今は続きを読みましょう、是非読みましょう」
「いや……多分飛ばしてもいい内容だと思うよ」
『三日間俺は好きなように遊んだ。会社も休んだ。もうあんな奴いなくても俺はモテるんだと思うと一瞬スカッとした。だけど同時になにか重いものは心に残った気がする』
一応、緊迫した場面だし、軽くフォローしようと思った。
「まぁ、遊んだけど、なんか反省してるじゃん」
「……続きを読みましょう」
星野の言葉遣いは抑揚がなく冷たさを感じた。赤石はため息をついて話を読み進めた。
『三日を過ぎた辺りから顔に変化が現れた。急に老け顔になった気がするのだ。最初は気のせいかもしれないと思ったが、実際に肉が垂れてきたのが顕著になってきた』
急激な肉体変化に耐え切れず、反動が出たと素人目線で考えるとそうなる。それでもやはり信じがたい。樅山が緊急に迫ったメールを送ってこなければ、信用しない。
『俺は焦った。いそいでバイト先の会社へ電話する。面接時に対応した面接官は不在だった。代わりに緑川という男が対応してくれた』
「緑川あぁぁっ?」
赤石は自分でもビックリするぐらい間の抜けた声を上げた。
「どうしたんですか? 心当たりでも?」
「いや、知っている奴に同じ苗字の人間がいてさ……」
「そんなことで驚かないでくださいよ。そりゃ同じ苗字の人ぐらいいるでしょ」
「だよな……」
星野には言えないが、確実にデブリだということが分かった。
『話によるとクリームが肌に合わなかったのかもしれない、アレルギーを起こしているかもしれない、と言う話だった。だけど、現在は治す方法があるので、もう一度会社に来てくれと言われた。正直、信じられなかったが、このままでは会社にもいけない。もう彼女にも会えない。俺は渋々承諾した』
この時、なぜ俺に一言言ってくれなかったんだと、心の中で呟いた。
星野はいつの間にか俺の腕を掴んで、力強く握っている。
『深夜、バイト先の会社へ向った。オフィスは薄暗く、応接室だけ明かりがついていた。緑川という人物に連れられ、応接室に入った。頑丈な扉が開くとそこには信じられない光景が広がっていた』
次回更新は1~2時間後(55%)
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