1/8 2:53 『永遠なるもの』
今回のコメント。
帰って来た~っ!
そして二時間以内にぎりぎり間に合うっ!
ちょっと表現が固定化してきたけど気にしない。
とりあえず、終わりまで突っ走る!
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木崎は再び目をつむり、下を向いた。やがて観念したかのように言葉を発する。
「本当に大したことじゃないの。なんて言うか、生き方の違い?」
「同窓会で生き方の議論してたのかよ……」
「違うんだけど、ちょっとした行き違いなの」
「昔からお前と大木は仲が悪かったもんな」
すると木崎は顔を上げ、瞳を大きく開いた。
「赤石君、それ、本気で言ってるの?」
「どういう意味だよ」
赤石の疑問には答えず、木崎は「そうなんだ」と独り言を言ったあと、小さく笑った。
「……ふふ、私達二人の問題だったんだね」
まったく意味が分からず、赤石は状況を整理したかった。小学生の二人の関係は……
「お前は大木にイジメられて……」
言いかけてハッとする。途中からけしかけていたのは赤石だった。急に申し訳ない気持ちになって頭を下げた。
「……すまん。それは俺も同じだよな」
木崎は「頭をあげて」と言うと、赤石に笑いかけた。
「赤石君は違う。分かるよそれぐらい」
二人が視線を合わせたまま数秒が過ぎた。赤石は真っ直ぐ見つめる木崎に手を重ねた。彼女も、もう片方の手を重ねた。「これからどうする?」という言葉が口からでかかったが、先に言葉が零れたのは彼女だった。
「ねえ。ずっと続くものってあると思う?」
「永遠ってこと?」
「うん。ものとは言ったけど、形あるモノは常に劣化している。だけど……」
「だけど?」
「心は変わらないかもしれない。小学生の頃から」
それって……俺ことを小学生のころから好きだって言うことか? しかも変わらないって言うことは今も俺の事を……
赤石は重ねた手を強く握ろうとした。しかし、タイミングよく木崎は目を伏せて、手を離した。
「ちょっと飲みすぎたね。変な事言ってごめん。今日はもうお開きにしよ」
木崎は赤石が返事をしないうちに席を立った。しばらく席から立ち上がれないでいたが、やがて我に返った。
そうだよな。そんなに上手くことは運ばないか。もう会うことはないかも知れない。番号交換したからって交流が始まるわけでもないしな。日常に帰れば俺なんか相手にしないだろう、社長だし。赤石は腰を上げ、席を離れた。
店をでると外で木崎が待っていた。「今タクシー呼んだから」というと空を見上げながら、独り言のように話始めた。
「さっき、ちゃんと私『今日は』って言ったよね」
「ああ……ええ!?」
言葉の意味どおりにとれば、これからも続くというサインだろう。実際木崎は言葉を続けた。
「また会えない? 赤石君面白いよ」
本当に木崎は変わった。良く喋るようになった。それにかなり積極的になった。
こうして同窓会は終わりを告げた。
次回更新は1~2時間後!(80%)
徐々に下がっております。