1/5 23:55 『永遠なるもの』
今回のコメント。
この更新まではキッチンでノートパソコンを開いて打ち込んでました。
イスがじっくり座れるような形じゃないので、腰が痛くなるような気がする。
(気がするだけかよ)
しかし、場所を変えながらやらないと、やる気が……
(嫌ならやめればいいのに……)
嫌じゃない!(カッコ書きに突っ込んでしまった……)
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アホか。そんな事は絶対ない。自分から行動しない奴にはなにも降ってこない。これが赤石が二十年かかってわかった人生訓の一つでもあった。
「ななな、何を急に」だが実際は動揺している自分に少し落胆したりもする。
「……動揺しすぎぞお前」
「あはははは」
酒が回ってきたかな。声が妙に大きくなっている。自覚はしているけど、どうしようもないな。赤石が頭をかいて誤魔化していると、仲井戸は急に身を乗り出して、低い声をさらに低くした。
「木崎というお楽しみは後で取っておくとして、お前に頼みごとがあるんだ」
急に身を乗り出されたので赤石は少し仰け反ってしまった。仲井戸は負けじとさらに身を乗り出してくる。
「ちゃんと報酬は払う。だから頼む」
よっぽど切羽詰っているのか、仲井戸の眉間にはシワが入り、力の篭った視線を赤石に向けていた。久しぶりに会ったクラスメートに真剣に頼みごとをするなんて……胡散臭い。
赤石は警戒しながら、まずは事情だけ聞くことにした。この辺りは記者魂なのか知れない。とりあえず首を突っ込む。やばかったら……もっと突っ込む!
「なんの事だかさっぱりわからない。ちゃんと説明してくれ」
「そ、そうだな。すまない」
仲井戸はゆっくりと元の姿勢に戻っていった。
「お前の雑誌なんて言ったっけ?」
「え? 知らないと思うけど……」
「いいから言えよ」
廃刊寸前のオカルト雑誌なんて説明できないよ。相手は高価そうな服装の男だぞ。赤石がなかなか雑誌名を言えないでいると、食いかからんばかりに仲井戸が迫ってくる。
歯を食いしばって、かなりいらだっているようだった。一体どうしたって言うんだ。赤石は戸惑ったが、観念した。
「『月刊ヌー』っていうんだ」
すると仲井戸はいかり肩を緩めて、深く息を吐いた。
「やはり幸運の女神は裏切らなかった」なんて独り言を言った後、赤石をまじまじと見つめる。
「お前に頼みっていうのは……お前の編集部――」
「ふざけるなっ! いつまでも夢みたいなこと言ってるんじゃねえよ!」
仲井戸が次の言葉を告げようとした瞬間、宴会場中に響くような大声が邪魔をした。
更新は1~2時間後(95%)