1/5 3:50 『永遠なるもの』
今回のコメント。
久しぶりに……
寝たと思った?
残念、時間にルーズなリープでした!
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十二月の中旬、同窓会は行なわれた。地元の料亭を貸しきって、当時のクラスメイト三十人ほどが集まる。赤石は場違いな雰囲気を感じていた。
男性はほとんどの人間がサラリーマンとなっており、名刺交換や上司の愚痴にはなをさかせていた。女性は子供連れもちらほら観られ、旦那や子育ての話に盛り上がっている。
まったく付いていけない。電車で二時間ほどしか距離が変わっていないにも関わらず、世界がまるで違った。都会で編集者をしている周りは三十歳になっても未婚でいる人間は多く、何も疑問に思っていなかったが、地元に戻ると少数派となっている事実。
昼夜問わず、記事のために動いている自分と規則正しく勤務しているサラリーマンや公務員との悩みの違い。ここには幼い頃、自分が大人だと思っていた世界が広がっていた。
色々な人が赤石に声をかけてきたが、愛想笑いをするしかできない自分に愕然とする。所作げ無く、ビールを飲む。全然おいしくない。
何より赤石が戸惑ったのは、少し離れた場所で盛り上がっている女子の集団だった。
「よう、赤石。浮いてるな」
低い声と共に赤石の座る男がいた。高そうなジャケットを着こなし、細身で長身、メガネをかけた男だった。赤石にはまったく心当たりが無い。不思議そうな顔を向けると、男は舌打ちした。
「仲井戸だよ。覚えてないのか?」
もう寝ますよ。




