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12/24 23:47 『永遠なるもの』③

今回のコメント。


ここまで書いて切ない系ではないことを断言しておきますよ。

泣かせようとも思ってません。(いつも別に思ってないけど)


ただ、最近の「いい話にしよう」マインドを吹き飛ばせたら良いなと思ってますよ?



***********************************



 木崎由貴はいつもニコニコしていた。悲しいことがあろうと、腹立たしいことがあろうと。本当に何があっても笑っている。女子の間でも目立つ方ではなかった。むしろ「いつもヘラヘラしている」という理由で軽くいじめの対象になっていた。


 だけど断言してもいい。僕達はそんな奴等とは違う。


 立ち上がって、服の汚れを払う木崎に向って赤石は顔を覗き込むように言った。


「木崎、強がりはよせよ。本当は泣きたいくせに」

「……なんで?」


 ニコニコした表情のまま木崎は答えた。確かに顔を思いっきり打ったんだから、涙の一つも出ていいのに。赤石は歯を食いしばりながら、木崎を見つめている。仲井戸も横を向いて舌打ちした。僕はただボーッと木崎を見ていた。


『私、ずっと笑えるようにしてもらったの』

『誰に?』

『内緒』


 また思い出してしまった。木崎との会話。あの日の夕方は多分忘れないと思う。


「お、お前、こんなことしてるのに何で泣かないんだよ……」


 話をしている赤石が泣きそうだ。仲井戸もよく見たら涙目だった。僕達はきっと悪いことをしたなって思っているんだ。でも僕はさっき泣きそうになったので、もう引っ込んでしまった。


 対して木崎はそんなのお構いなしだった。


「だって、笑顔の方が皆楽しい気持になるでしょ? 三人も私が笑ってから、よく遊んでくれるようになったじゃない。あはは」


 木崎の言葉に赤石は顔を真っ赤にさせた。


「ばっ、馬鹿野郎! 誰が遊んでるんだよ! お前を泣かそうとしてるんだぞ!」

「赤石君って、名前も赤だけど、顔も赤くなるんだね」

「わわわわわ、わけわかんねーよ!」


 赤石君は木崎から走り去った。僕と仲井戸もつられて「わーっ」とか言って走り出した。





更新は2~3時間後(85%)

恒例のドライブに行ってきます。

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