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12/24 22:07 『永遠なるもの』②

今回のコメント。



ぐぬぬぬ。難航している。

むずいなぁ!


落としどころを模索中!

オクトパスみたいに終わりを設けない方がいいのかもね。

行き当たりばったりだぜ!



***********************************



『永遠なるもの』


1、「木崎由貴を泣かす会」


「レッド。今、ターゲットが通過した」

「ミディアム、了解した。こちらでも把握した」

「っていうか見えてるよね。携帯電話で話さなくても見えてるよね」

「ミッション中だぞ静かにしろっ、デブリ! ほらっ、来る!」


 夕暮れ、僕達はとある女の子を待ち伏せしていた。

 同じ四年二組の木崎由貴きざゆきだ。赤いランドセルを背負って歩いてきた。

 僕とレッドこと赤石は、大通りに対して細い路地に身を潜めて、タイミングを見計らっている。手には縄跳び。心臓がドキドキしてきた。


 まずは道路に伸びる影を見て、近づいてきたのがわかった。僕が正面を向くと、レッドは手を上にあげた。早く合図が欲しい。僕の手は震えた。影が道路に伸びた縄跳びを通過する。唇が震えてた。目からじんわり涙がでそうだった。早く合図を! と僕が叫びそうになった時、レッドの手が下ろされた。僕は目を瞑って縄跳びを引っ張る。


 すると道路に縄跳びが地面から十センチ辺りでピンと張られた。同時に重い衝撃があり、縄跳びが引っ張られた。僕は懸命に縄跳びを引く。どすんという音と共に、木崎由貴が前のめりに倒れた姿が目に入った。


「ミッションコンプリート!」


 と叫んで偵察係のミディアムこと仲井戸が走り寄ってくる。赤石は木崎に近づいた。僕も恐る恐る近づいていった。

 倒れたままの木崎は動こうとしない。


「ねえ、大丈夫なの? おでこからこけていったけど」

「大丈夫だよ。ホラ見ろよ、背中が上下しているってことは息してるだろ」

「さすが仲井戸だな。冷静にみてるぜ……」


 この作戦を立てたのは仲井戸だった。成績優秀でいつも僕達に知恵をつけてくれる。


「……っ」


 木崎がゆっくりと体を起き上がらせる。僕達は一気に木崎に視線が集まった。気にしているのはもちろん表情だった。


「よし、泣け。泣け……」


 赤石は自然に口から本音が漏れていた。僕達の中ではリーダーのような存在。

 起き上がった木崎は足元を少し震わせながら、こっちを見た。


「あはは。どうしてこんなことするのかな? 痛いじゃない」


 木崎は笑いかける。僕達はまたしても負けた。


『木崎由貴を泣かす会』


 それが僕達グループの名前だ。





更新は1~2時間後(85%)

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