12/24 22:07 『永遠なるもの』②
今回のコメント。
ぐぬぬぬ。難航している。
むずいなぁ!
落としどころを模索中!
オクトパスみたいに終わりを設けない方がいいのかもね。
行き当たりばったりだぜ!
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『永遠なるもの』
1、「木崎由貴を泣かす会」
「レッド。今、ターゲットが通過した」
「ミディアム、了解した。こちらでも把握した」
「っていうか見えてるよね。携帯電話で話さなくても見えてるよね」
「ミッション中だぞ静かにしろっ、デブリ! ほらっ、来る!」
夕暮れ、僕達はとある女の子を待ち伏せしていた。
同じ四年二組の木崎由貴だ。赤いランドセルを背負って歩いてきた。
僕とレッドこと赤石は、大通りに対して細い路地に身を潜めて、タイミングを見計らっている。手には縄跳び。心臓がドキドキしてきた。
まずは道路に伸びる影を見て、近づいてきたのがわかった。僕が正面を向くと、レッドは手を上にあげた。早く合図が欲しい。僕の手は震えた。影が道路に伸びた縄跳びを通過する。唇が震えてた。目からじんわり涙がでそうだった。早く合図を! と僕が叫びそうになった時、レッドの手が下ろされた。僕は目を瞑って縄跳びを引っ張る。
すると道路に縄跳びが地面から十センチ辺りでピンと張られた。同時に重い衝撃があり、縄跳びが引っ張られた。僕は懸命に縄跳びを引く。どすんという音と共に、木崎由貴が前のめりに倒れた姿が目に入った。
「ミッションコンプリート!」
と叫んで偵察係のミディアムこと仲井戸が走り寄ってくる。赤石は木崎に近づいた。僕も恐る恐る近づいていった。
倒れたままの木崎は動こうとしない。
「ねえ、大丈夫なの? おでこからこけていったけど」
「大丈夫だよ。ホラ見ろよ、背中が上下しているってことは息してるだろ」
「さすが仲井戸だな。冷静にみてるぜ……」
この作戦を立てたのは仲井戸だった。成績優秀でいつも僕達に知恵をつけてくれる。
「……っ」
木崎がゆっくりと体を起き上がらせる。僕達は一気に木崎に視線が集まった。気にしているのはもちろん表情だった。
「よし、泣け。泣け……」
赤石は自然に口から本音が漏れていた。僕達の中ではリーダーのような存在。
起き上がった木崎は足元を少し震わせながら、こっちを見た。
「あはは。どうしてこんなことするのかな? 痛いじゃない」
木崎は笑いかける。僕達はまたしても負けた。
『木崎由貴を泣かす会』
それが僕達グループの名前だ。
更新は1~2時間後(85%)