12/21 1:56
今回のコメント
ところがどっこい起きてるよ!
今日の夕食裏話。
スパゲティと書きましたが、間違いです。
冷蔵庫開けたら、レトルトのミートソースと冷麦の乾麺。
パスタはないし、麺つゆも無い。
これは……ミードソース冷麦を作れということか!
とうことで作りました。
味は……まぁ、あれですよ。
やっぱりミートソースにはパスタだし、冷麦には麺つゆだよ。
なんなんだよ!(この終わり方こそなんなんだよ)
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目が覚めたら朝になっていた。目を瞑ってすぐ寝られたのはいつ以来だろうか。楽しい夢を見ていた気がする。ゆっくりと揺り動かされるような感覚がして、僕は目を開けた。
「一年生のくせにいつまで寝ているんだ!」
確かにぐっすり眠れた。しかし、ぐっすり眠れ過ぎて、先輩たちの来襲に気づかなかった。
寝ている僕の目の前に滝川先輩がいた。目の前ということは……
「女の子が馬乗りなんてはしたないっ! お嫁にいけませんよ!」
「お前が起きないからこんな目にあうんだ!」
片方の口角を上げてニヤリとする滝川先輩。加害者意識がまるでない。た、楽しんでます? 僕は精一杯の反撃を試みた。
「そんな……男の身体にまたがるなんて、エロ過ぎます!」
「はぁ? なに言ってんだよ。これはまたがるなんてものじゃない」
「これはマウントポジションって言うんだ」
はっ!? いつの間にか腕が足によってロックされていた! 滝川先輩が舌なめずりしている! 獲物だ、獲物を狙う目だ。先輩は腕を振り上げ、そのまま振り下ろす。や、やられるうぅぅぅっ! 振り下ろされた手は僕のほっぺたをつまんだ。
「うりゃっ!」
「痛はひ、痛はひ!(痛い痛いの意)」
両方のほっぺたをつねり上げられ、僕は間抜けな悲鳴を上げてしまった。笑いながらつねり上げる滝川先輩。なんでそんなに嬉しそうなんだよ! 昨日の殊勝な顔つきはどうしたって言うんだ! 僕はジタバタしながら、
にしても、こんなに手荒に怒られるのは久しぶりのような気がする。僕に対してふざけすぎてる滝川先輩。もしかして喜んでいい展開なのだろうか? ほっぺたつねられているのに? マウントポジションとられてるのに?
「さぁ、早く起きろ!」
「ほひはへふはふはひへひょ!(起きられるはずないでしょ!)」
僕がジタバタしていると、時折滝川先輩の横から僕を覗き込む高月先輩の姿が目に入った。気のせいかほとんど表情を変えずに僕を見ている。せいぜい少し口を尖らせている程度かな。
昨日渡した手紙を読んで高月先輩はどう思ったのだろうか。今の顔色からは何も伝わってこない。今日一日一緒にいれば、答えは出るだろうか。少なくともこの部屋に来たってことは怒ってないよな。それにしても怒ってないか気にするなんて、ちょっと情けない……
数分後、滝川先輩の攻撃が終わり、なんとか解放された。朝っぱらから暴れたので、目は覚めた気がするけど、ちょっと疲れてしまった。
「さっさと着替えて、キッチンに来いよ」
なんて言って一方的に去っていく滝川先輩。だが、これこそ滝川クオリティ。ぽかぽかジンジンするほっぺたをさする。きっと真っ赤だなこれは。冬の小学生か! と一人ボケツッコミをした後、起き上がろうとする。
だけど上手く起き上がれない、と同時に足に痛みが走る。
「痛っ!」
上半身だけ起こして、足元を見る。すると僕の足の上に別の足が乗っていた。ゆっくりと見上げる。黒髪の少し目つきのきつい女の子。高月先輩の姿があった。
なんで先輩が足を? 僕は何と声をかけていいかわからず、しばらく先輩と見つめあう形になった。先輩は相変らず無表情で僕を凝視している。何なんだ一体……。少しして、僕は勇気を出して話しかけることにした。
「あの……地味に足踏んでますけど」
すると高月先輩はゆっくりと下を向いて、すぐに僕へ視線を戻して言った。
「そう? あんまり自然なんで踏んでた事に気づかなかった」
「はぁ……」
「きっと草弥君も夕実に夢中で気づかなかったから、おあいこでしょ」
「はぁ……」
僕は間抜けな返事を二回繰り返す。高月先輩は足を除けた後、無言で部屋を出て行った。
結局、先輩達にもて遊ばれただけのような気がする。
僕はしばらく布団で呆けた。
今日はここまで!