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12/17 0:43

今回のコメント


今日の夕飯。


プチ忘年会でした。


タイ料理。

トムヤムクン

生春巻き

他色々。


以上。



***********************************



 笑顔になっている高月先輩に僕は恐る恐る話しかけてみた。


「高月先輩。教えて欲しいことがあります」

「何? もう隠すようなことはないよ」

「今日の結果を教えてください」


 すると急に高月先輩の頬に力が入り、緊張したことがわかる。僕は誤魔化せないようにちゃんと伝えることにした。


「出てますよね。日記の結果」


 美国の手紙に書いてあったこと。部長の日記を楽しかったことで埋めること。つまりは試験に合格すること。遠回りはしたけど、現状を確認する必要がある。


「日記を見せてください」


 高月先輩は僕から視線を逸らし、窓側へと視線を向けた。再び両腕で自分を抱くようにした。一文字に硬く閉じられた唇。答えるつもりはないらしい。僕はそれでも先輩の言葉を待った。


「ごめん……見せられない」

「それ、十分答えになってますよ……」


 叱られた様に目を伏せ俯く高月先輩を見て、申し訳なさを感じた。別に責める気はなかったのだ。僕は先輩に対して頭を下げた。


「成績が悪かったとしたらそれは僕のせいです。あんなことを言わなければ……ごめんなさい」


 確実に今日の原因は僕にある。高月先輩は懸命選挙活動しようとしたのだから。下げた頭の上か先輩の小さな声が聞こえた。


「草弥君、頭を上げて。貴方のせいじゃない」

「いいえ。僕が悪いんです」

「違うよ」

「僕のせいです」

「貴方のせいじゃないって言ってるじゃない!」


 強い口調で高月先輩の声が僕に投げかけられれる。僕は思わず頭を上げてしまった。視線がぶつかり合う。瞳はわずかに光り、揺れていた。高月先輩はすぐに僕から視線を外し、小さなため息をついた。


「私の気持ちが中途半端だからだよ。誰のせいでもない。私のせい」

「違います」

「罰だよねきっと。美国先輩を信じないくせに好きだなんて言ったから」

「そんなわけないじゃないですか」


 いつの間にか立場が反対になってしまった。

 高月先輩は瞳の焦点が合わず、虚ろな表情を窓に向ける。月光が先輩の表情を一層つかみ所のないものにしていた。




更新は1~2時間後

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