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12/15 1:45

今回のコメント



ふう。亜也とのやりとりを書くのは気を遣うなぁ。

終盤になって特に。

綱渡りしているような気持ち。


会話をすらすら書いてたと思ったら、どんどん亜也の気持ちが離れていく。

会話の内容にバリアが張られていく。

本心をなかなか表してくれない。

でも、聴いて欲しいっていう気持ちは伝わってくる。


バンプ的に言えば、投げたボールをとって欲しいくせに、暴投してくる、変化球や魔球を投げてくる。

最悪の場合、受け取ったボールを下に置きやがる!

夕実ぐらい素直になってくれよ!


そして無理やりボールを取りにいく甲斐斗。

ご苦労様です。


……と。

自由気のままに書いてると話がぜんぜんまとまりませんって話。



***********************************



 僕は頭を少しだけ上げて、先輩を下から覗き込むように見た。月明かりに照らされているせいかもしれない、高月先輩の瞳が光って揺れているように見えた。


 どうやら僕に許してくれるかと言っているのは嘘じゃないようだ。考えるまでもなく「美国の代わりとしてみている自分を許してくれるか」という問いだろう。

 そんなの決まってる。再び頭を下げ、そのまま答えた。


「はい。むしろ許して欲しいのは僕のほうです」

「でも私……」


 僕は頭を上げる。先輩は自分を抱くように両手を交差させていた。肩を少しすぼめている。寒いのか、不安なのか、どちらもかもしれない。


 そんな先輩を見てなんだか僕はため息が出てきた。こんな先輩を見たくない。


「歯切れの悪い返事なんて、先輩らしくないですね」

「私らしく?」


 眉間にシワを寄せ、首をかしげて反応する高月先輩。今が雰囲気を変えるチャンスかもしれない。僕はなるべく不遜に見えるように、ちょっとだけ顎を上げて、上から目線で答えた。


「そうです。『誰が許すか!』とか『許してあげてもいいけど、次同じこと言ったら殺すよ』って言えばいいんですよ」


 あからさまに口角を引きつらせて、先輩は苦笑いした。


「……いや。私はそんなことを言った覚えはないけど」


 僕は記憶の限り、高月先輩に言われたひどい台詞を探していた。


「言いましたよ『てっきり、羞恥心が原因で死んだかと思ったわ』とか。覚えてませんか?」

「そ、そんな昔の事を良く覚えてるね……」


 鼻を鳴らして僕は自信満々に見えるようにおどけて答えた。


「先輩からの言葉ですよ。当たり前じゃないですか」

「言い返しにくいこと言わないでくれる?」


 引きつった笑顔が少し力が抜けたような自然なものに変わっていた。上手くいったようだ。僕はホッとしたのと同時にあるアイデアが浮かぶ。


「じゃあ、こうしましょう。二人同時に謝るっていうのはどうですか?」


 かなり恥ずかしい提案かもしれない。でも、これぐらいの間抜けなことをしてもいいでしょ。二人が仲良くなれるなら。


 すると高月先輩は口元に手をあてて、考える仕草をした後、「うん」と頷いた。僕は大袈裟に咳払いをした。


「ゴホン。じゃあ、いきますよ~、せ~の――」


「ごめんなさい」「ごめんね」


 僕の合図で二人同時に頭を下げた。数秒、同じ状態が続いた後、頭を同時に上げた。顔を見合うと自然に笑みがこぼれた。なんか気持ちがここまで晴れたのは久しぶりな気がする。


 先輩がどういう意味で謝ったのかはわからない。


『今まで美国の代わりと思ってごめんね』なのか。

『これからも思い続けるけどごめんね』なのか。


 ただ。今となってはどうでもよかった。僕の気持ちは僕のもの。なにか代償を得るために想ってるわけじゃない。美国の手紙を読んでそう決めたんだから。


 謝罪はとりあえず成功といっていいだろう。

 僕はもう一つの話を切り出すことにした。





今日はここまで!

じゃんけん――
































グー!

うふふ。それじゃあまたね~

(完全なるパクリ)

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