12/14 22:51
今回のコメント
今日のごはん。
親子丼
野菜炒め
以上!
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さて、本題はこれからだ。高月先輩の部屋へと向かう。滝川先輩と仲直りできたこともあり、少し気持ちが軽い。だけど、僕がつけた心の傷はおそらくかなり深いだろう。
まずは謝ること。そして確認しなければいけないことがもう一つある。なにより許してもらわないといけないわけだけど。
長い廊下を歩き、先の角を曲がれば、高月先輩の部屋がある。角の前で少し立ち止まってしまう。果たして許してもらえるのか。ドキドキと妙に心臓が鳴る。やはり緊張しているのだろう。だけど立ち止まっている暇はない。僕は角を曲がる。
すると、廊下の窓から空を眺めている高月先輩の姿があった。僕は瞬間的に息を飲んだ。白のフリース姿で月夜に照らされて艶が強調された長い黒髪、色のコントラストで存在を際立たせた。
「あっ……」
言葉が出ない。体が動かない。開き直ったはずなのに、やはり緊張してしまう。悔しいけどやっぱり高月先輩だなって思った。
僕が突っ立ったままでいると、先輩の顔をが僅かに動く。すると存在に気づいた先輩が大きく僕に顔を向ける。視線がぶつかってしまった。ちゃんと瞳を見たのは久しぶりかもしれない。
……話しかけないと。僕は一礼をして歩み寄る。同時に先輩の頬が少しだけ引きつり、表情が固くなったのがわかった。警戒されている。当たり前の事かもしれない。あんなひどい言葉をかけたのだから。
僕から話すんだ。当たり前のことだ。僕は小さく息を吸った。
「高月先輩、僕、その……」
滝川先輩のときは簡単に口に出た言葉がでてこない。すると先輩が僅かに視線を外し、窓につけていた手を離した。まずい、逃げられる。
「待ってください。実は今日の事謝りたくて……ごめんなさい」
僕は深々と頭を下げた。これで許してもらえなければ土下座でもなんでもするつもりだ。情けなくったっていい。とにかく謝意を伝えなければいけないんだ。
頭を下げたままの僕を高月先輩は無言で迎える。立ち去る様子はない。月影で廊下に先輩の影がおぼろげに見えた。ハッキリ見えないところが、不安を煽る。
やっぱり駄目か……僕が諦めたとき、頭上から小さな声が聞こえた。
「本当に私を許せるの?」
「……え?」
許してもらおうと思っているの僕に対する質問だった。許して欲しい僕に許してくれるのかと問う先輩。微妙に何かが食い違っている。
更新は1~2時間後!
じゃあ、恒例のじゃんけんいくよ~!(え?)
じゃんけん……次の更新へ続く!