12/10 4:06
今回のコメント
珍しく執筆日記。
今日更新分は二週間ほど前から、悩んでた箇所です。
(美国からの手紙を書くのはもう決定していた)
どう書いたものかさっぱり分からなかった。
書いても書いても、甲斐斗に反論されました。
正直、今のも反論されちゃうかもしれません。
そして上っ面の屁理屈かもしれません。
青臭く、空回りばかりで、冷笑ものかもしれません。
だとしたら、僕の文章力、構成力不足で、そう感じさせたんだと思います。
本当に申し訳ない。
ド直球過ぎるし、文章も硬い。
だけど、これが今僕にできる精一杯なんだよね。もう開き直るしかない!
美国日記編の中盤も苦労したけど、今回ほど苦労した場面はありませんでした。
選挙編も大詰め。
一つの山を越えました。
選挙編の山はあと二つほどありますが、よろしくお願いいたします。
(めずらしく丁寧な挨拶)
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『ここからは日記の秘密を前提として、書き連ねる。俺と真理さんからのお願いだ』
と前置きをした上で、文章は続く。
まずは輪転の誓いについて書かれてあった。
『「輪転の誓い」をどんどん使って欲しい。僕たちの存在がなくなったとしても構わない』
思い切ったことを言うものだ。自分達の存在を引きかえにしても、手に入れなければならないものがあると伝えたいのだろうか。
『過去の僕たちが望むのは、足かせになることじゃない。未来のお前たちに幸せになって欲しいんだ』
僕達の幸せが自分達を犠牲にしても手に入れるものだっていうのか?
どれだけお節介な奴らなんだよ。
同時に受け取る思いの責任を感じた。
それはとても重く、ずっしりと腕に伝わった気がした。
『部長の日記帳を楽しかったことで埋めて欲しい。過去の先輩達も利用して、はかり先生を超えてくれ』
平光先生を超える。どういうことだろうか。試験を超える。テストに合格するということだろうか。どちらにしても、部長の日記を楽しかったことで埋めることに関しては大賛成だ。
『悲しかったことが綴られた日記部の日記帳を楽しかったことで埋めてくれ。「永遠の片思い」なんて言葉を跳ね除けて欲しい』
日記部の本棚にある歴代部長の日記帳は彼等の「敗れた歴史」であり「悲しかったことに彩られた日記」ばかりなのだ。
同時に片思いの歴史。いわゆる「永遠の片思い」の象徴だ。
『お前がこれから進む道は先人の積み重ねた道だ。迷いながら皆、思い半ばで退場せざる終えなかった道なんだ。後進に託して……』
望む望まざるに限らず、交代してきた先輩達。僕も知らないうちに美国からバトンを受け取っていた。他に適任者がいたかもしれない。だけど受け取っていたのだ。思いの重さを知った今、簡単には捨てられない。
『せっかく後輩へエールを送れるチャンスなんだ。しっかりと思いを受け取ってくれ』
僕は一度目を瞑った。
もう、受け入れる準備は出来ている。迷うようなことは、もうないはずだ。
何度も自分に言い聞かせる。不安な気持ちを一つ一つ丁寧に慰める。
大丈夫だ、僕なら受け入れられる。
ゆっくり目を開け、文面を読み始めた。
『未来の俺に告ぐ。過去に囚われるな。思いっきりやればいい。状況を楽しんでくれ。じゃないと辛い思いや悲しい思いだけしか残らない。きっとできる。一人じゃないからできるはずだ』
同じ境遇なのは僕だけじゃない。
頼りになるけど、時々弱さも見せ、だけど仲間のことをいつも心配している。尊敬できる先輩がいた。
そして戦っている当事者は先輩なのだ。
『二人で幸せになってくれ。頼む。俺達が出来なかったことを成し遂げてくれ』
ここで手紙は終っていた。
読み終えて僕は一息ついて、手紙を折りたたんだ。
どれぐらいの時間が経っていたのだろう。わからない。辺りは静かで夜が更けていることは分かった。
そして静寂の部屋に仄かに灯る火種が一つ。僕の胸にしっかりと宿っていた。
美国、思いは受け取った。
永遠の片思いは「受け継がれる片思い」でもあったんだ。
僕の思いは僕のものだけど、先人あってこその思いだったんだ。
だから美国までの部長たちの思いに僕の気持ちを付け足す。
受け継がれてきたトロフィーを僕は掲げて進むんだ。
まずは高月先輩と滝川先輩に謝ろう。
そして僕も自分の気持ちをちゃんと伝えよう。
静かだった部屋に音が生まれる。
僕が進み始めた足音だった。
今日はここまで!