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12/4 4:38

今回のコメント


風が強い。元々僕が住んでいる地域は冬は強烈な風が吹く。

山脈からの吹き降ろしが凄いのだ。


だけど、今日の風は生暖かかった。12月なのにねぇ……



***********************************



 昼休みが後五分になり、購買部前にはまばらな人しかいなくなった。僕達は部室に戻るついでに宣伝をしながら歩いている。


 なんだか僕はいつもより疲れてしまった。精神的な疲労が多いのだろう。徐々に前を歩く先輩二人から離されていく。僕は追いつこうという気力がなく、二人も気づかないのか、どんどん歩いていく。

 もう、ちょっと、このままでいいや。なんかか自分が情けなくて笑えてくる。


 その時、僕の背後から声が聞こえた。


「おーい、草弥君」


 最初は空耳かなと思って、歩き続けた。この学校で僕の名前を呼ぶなんて先輩以外いありえないからだ。


「『草弥甲斐斗』ってタスキをかけているだけで、君は草弥くんじゃないの?」


 確かに僕のことを読んでいるようだ。振り返って声の主を確かめる。すると僕は少しだけ驚くこになった。


「やっぱり君が草弥君だったんだね」


 目の前にいたのは美国進だったからだ。僕が美国を上から下へと見つめる。こちらを認識しているってことは、コイツは平光先生に操作されずに……


「ほぼ初対面の人にジロジロ見られると照れるなぁ」


 美国は眼鏡を押し上げながら、照れ笑いを浮かべている。勘違いだったか。僕は思わずため息をついてしまった。それを見て美国は眉をひそめる。


「ジロジロ見たって、俺にはそんな趣味はないぞ。草弥君」

「分かってる! そして僕も男色趣味はない!」


 思わずツッコミを入れてしまった。コイツはリセットされても変な奴に違いないな。にしてもだ、声をかけてきたのはコイツからだ。警戒しないと。僕は睨みつける。


「そんな怒らなくてもいいじゃないか。実は頼まれごとをしてきたんだよ」


 美国は制服のポケットに手を突っ込んで何かを探していた。しばらくして「あった」と声を出すと、ポケットから紙切れを取り出す。


「何だかよくわからないんだけど、朝気づいたらポケットに入っていたんだ。あんまり不思議だからとっておいたんだけど」


 手に持った紙切れを僕に差し出す。受け取れというのだろうか。しかし、受け取るいわれはない。僕は紙と美国の顔を交互に見つめる。すると、美国は苦笑いをした。






更新は1~2時間後?

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