12/3 23:55
今回のコメント
今日の晩ご飯!
ちゃんこ鍋。
以上!
なんだか肉よりも豆腐が美味しい!
(歳とった証拠)
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僕達はお昼休みの選挙活動に移るために部室へ向っていた。
肩を怒らせてずんずん先を歩いていく高月先輩。髪が荒々しく揺れている。僕と滝川先輩をおいていく。なんとかついていこうと思うけど、上手く行かない。滝川先輩も同じみたいで、下を向いてとぼとぼと歩いている。
平光先生の思い通りになってしまう世界は嫌でたまらない。「貴方達は私の手の平で踊っているだけ」と、まざまざと見せるけられた気がしたのだ。無力感。一言で言えば簡単だ。だが、簡単に言い表せたところで解決方法は簡単でないのだ。
高月先輩はどうしてあんなに力強いのだろうか。美国の日記世界に行った時も似たような事があった気がする。崩壊世界から逃げようとする僕と滝川先輩。反対に向っていった高月先輩。
『今頃、平光先生は、ほくそ笑んでるかもよ。私達ぐらい立ち向かったっていいじゃない』
たしかそんな事を言っていた気がする。あの時点ですでに先輩は戦う気持ちになっていたのだろう。だけど、僕には心構えの時間さえ与えられてないのだ。急激な変化に対応しなければならない。圧倒的な無力感と戦いながら……
「さぁ。早く行くよ」
すでに高月先輩は部室前で僕達を手招きしていた。できれば、この時間のまま止まってくれないかと思った。むしろなにも知らなかった時に戻りたいとさえ思った。知れば知るほど何もできない自分にぶつかる。果たして高月先輩が背負っていたものを僕も背負って戦えるのだろうか。
「結局、やるしかないんだ。テストに合格するんだ。御堂真理との喧嘩も悪くなかったけどな」
俯いていた滝川先輩が顔を上げる。僕より半歩だけ歩みを速めた。みんなが歩調を進めて行く。置いていかれるような寂しさを感じる。なんで簡単に割り切れるんだ。
「くそっ……」
自然に口にだして僕も歩みを速めた。身体は数歩先を進んだ。気持ちを置き去りにして。
部室に入って、再び扉を開けると、お昼休みに日記時間はジャンプする。高月先輩は僕達へ振り向き、手を差し出した。
「なんとしてでもこのテスト乗り切りましょう!」
差し出された手を見て顔を上げると、高月先輩は力強い視線を僕に向けていた。そしてなにかを催促していた。僕が戸惑っていると、隣の滝川先輩は「よし」と言って、高月先輩の手に自分の手を重ねる。やはり、円陣を組みたいのだろう。心を一つにするために。
だけど僕は……
「さぁ、草弥君」
ここで手を出さないわけにはいかないだろう。自分が無理だと後ろ向きに思っていたとしても、前向きな先輩達に応えなきゃいけない。上手く笑顔でいてくれよ。今日何度思ったことだろう。僕はゆっくりと手を伸ばし二人の手に重ねた。
すると高月先輩は「よしっ」と一言呟き、息を吸い込んで声をあげた。
「絶対に選挙に勝つよ!」
高月先輩の掛け声に僕と滝川先輩は「おう!」と応えた。言った直後、ため息が出そうになるのを止めるのに神経を使った。
更新は2~3時間後?
ドライブへ行ってきマウス!(おやじギャグ)