12/2 3:07
今回のコメント
お風呂入って、ふぃ~とか言ってたらこの時間だよ!
もう金曜日だよ!
あと一日耐えれば……休みが来る!
そして休み前にはいつも思う。
「二日休みがあったら、めちゃめちゃ書けるなぁ~」
あれ? 最近書けたことありましたっけ?
考えてはいけない……
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全員が振り返ると、平光先生はいつものようにニコニコと笑った。
「あのまま真理ちゃんが、弱っちゃうと試験が盛り上がらないでしょ?」
嫌な予感がする。続きを聞くのが正直怖い。だけど平光先生は構わずに話を続けた。
「だからね~。えへっ、修正したの~」
なにを修正したんだ? 御堂真理と美国進をってことか。彼等の記憶をいじったってことか! 泣き出しそうな思いが一気に襲ってくる。なんとか堪えないと。僕はなんだか息苦しくなってしまい、呼吸が浅くなってしまった。
「もう、あの子達は、あやっぺ達のことを同じ立候補者ぐらいの認識しかないよ~。良かったね。気苦労が一つなくなったよね~」
僕達は平光先生に生かされている……記憶であろうと存在ごと消すこともできるんだ。握った拳が震えたが、今回は恐怖でしかない。
なんで平光先生はこんなに笑顔で話ができるんだ。人をなんだと思っているんだ!
「君達の試験なんだから当然でしょ~? 試験で問題が簡単になるのは~追試からだよ~」
滝川先輩は思わず口に手を当てた。なにかを堪えているようだった。きっと涙に違いない。僕だって目の奥がジンワリと熱くなってきた。
滝川先輩と張り合った御堂真理。僕に過剰なお節介を焼いてくれた美国進。平光先生にかかれば、すぐになかったことにされる。梯子を外された気分だった。
「それにこれは私の日記なんだからね~。生きている人間を操作したわけじゃないんだから。気楽にかんがえようよ~。ゲームのキャラが変わっただけだって」
完全に彼等はゲームの駒扱いだ。僕や高月先輩だって簡単に遊ばれる可能性だってあるのか……やばい。本当にコイツはやばい奴だ。
急に脱力感に襲われ、僕は体勢を崩しそうになった。意味が分からなかったが、下を見ると膝が震えている。ここまでくると脱力感までが操れているような気がして、気持ちの制御ができない。叫びそうな勢いの感情が喉まで迫った。
その時、僕の耳に飛び込んできた、呟くような一言。
「ふざけないでよ」
確かに僕の隣から聞こえてきた。滝川先輩は瞳を大きく開き、口に手を当てたまま僕を見て……いや、僕ごしに高月先輩を見ていた。
「私達はあなたの玩具じゃない!」
今度はハッキリと平光先生に向って大声を上げる。眉間にシワを寄せ、歯を食いしばるように口が歪んでいる。ここまで怒りを表現している高月先輩は初めて見た。
「無論、美国先輩も玩具じゃない!」
「でも彼等は生きてないし~」
「黙れ!」
平光先生はやはり表情を変えず、にこやかに答えた。対照的に高月先輩は全身を震わせている。今にも殴りかかりそうな勢いだった。
「弄ぶな。……私達の魂を、感情を、好き勝手にしないで!」
僕と滝川先輩は驚きながら、高月先輩を見つめていた。昨日なら先輩がここまで怒った意味が分からなかったかもしれない。だけど、今ならわかる。
好きな人が過去として使い古し扱いをされたんだ。そして自分達の運命だって遊びの一つとしか思っていない先生に対して、存在をかけた怒りをぶつけたんだ。
しばらくして平光先生は肩をすくめた。高月先輩が睨んだままでいると、「わがままだなぁ~」といって先生は僕等に背を向けた。
こうして朝の選挙活動は終わりを告げた。
今日はここまで!