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今回のコメント
セリーグのMVPを中日の浅尾が獲得しました。
ハッキリ言って当然の結果ですよ。
今年は大車輪の活躍でした。
来年とか大丈夫? と心配になるぐらいに。
ただ、今年の使われ方は終盤を除けば、なるべく大事に使われている気がした。
単純にみれば、去年と比べて同水準、2009年よりインニング数は少ない。
(試合数は多いけど。つまりイニングをまたいだ登板が少ないということ)
あとは日本シリーズである程度機能していたこと。
(去年の日本シリーズでは、ハッキリ言ってバテバテで、かなり打たれていたはず)
とはいえ、使われすぎ感はぬぐえない。
あの投球フォームでは体のどこかに必ず偏ったダメージが残るだろうし。
来年からの使われ方もあるけど、ちょっと心配。
だけど、本当に頑張ったなぁという印象。脱帽です。
MVPおめでとう!
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先輩の大声に美国陣営も気づいたらしく、歩みを止めてこちらを見つめてくる。彼らの表情に僕は少し驚いた。滝川先輩も言葉を詰まらせているようだ。
御堂真理は昨日のことで怯えているわけでも、いつものように怒っているわけでもなかった。ただただ不思議そうな顔をしてこちらをみているだけなのだ。本当に呼び止められた意味がわからないといった感じだ。
僕たちもどうしていいか分からなくなり、黙ってしまった。すると、美国が一歩前に出て、話しかけてきた。
「あの、なにか御用ですか?」
たしかに言うとおりだ。話しかけたのはこちらだから。
「いや……」
滝川先輩はしばらく言葉が出ずにいたけど、気持ちを切り替えたのか、表情が力強くなった。
「そうか。私たちを意識すまいと無視することにしたんだな!」
しかし、御堂真理も美国も反応することがない。むしろ戸惑っているようだ。御堂真理が美国を見つめる。そして御堂真理へ頷いた美国はこちらに返答した。
「僕たちがですか? よく意味が分からないのですが」
「なっ……」と、それ以上言葉が浮かばない滝川先輩は拳を握って震わせた。僕もあまりに冷たい反応に戸惑う。高月先輩を見ると、無表情で感情が読み取れない。手だって拳を握っているわけではない。ただ彼らが目に映っているだけに過ぎないように見えた。
「馬鹿にしやがって! 昨日の今日で趣味が悪すぎるぞ!」
滝川先輩は悲鳴に近い声で叫ぶ。美国と御堂真理は少しむっとした表情で僕たちを見つめる。少しの間、にら意味合いが続いた。
オチのつかない沈黙はいつまで続くのだろうと思ったが、始業のチャイムが鳴り響くことで、あっさりと終わりを迎えた。
「申し訳ないけど、本当に意味がわらないので、俺達は失礼するよ」
他人行儀な美国の言葉を最後に僕たちの元を去っていった。滝川先輩は何か言い返そうと口を開けたけど、言葉にできないようだ。僕たちはただ見送ることしかできなかった。
誰もいなくなった校庭に残された僕等。なんだか不安が募ってきた。本当に彼らは僕たちのことを全然知らないのではないのか、という結論に達した。
「これで心おきなく選挙活動ができるでしょ?」
僕たちの背後から聞き覚えのある声が聞こえた。振り返ると見覚えのある着物姿に眼鏡をかけた女性が視界にはいる。平光先生だった。
更新は1~2時間後!