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11/22 2:17

今回のコメント



ちりも積もれば山となる。


八月から続けて、『トロフィー』は現在原稿用紙430枚を超えています。


たぶん今までで一番長い、長編になります。


連載を始めた時は、ここまで行くとは思いませんでした。

下手するとすぐに飽きるかななんて思っていました。


だけど、色々な人に支えられてここまでやってこれました。

ありがとうございました。


続けることは重要ですね!

そして一人で続けるのは難しかった。

書いていることに意味を見出せなくなったり、突然自信なくしたり。

テンション上げ過ぎて、頭がオーバーフローしたり。

書けないと開き直ったり、暗い部屋にディスプレイの明かりだけが僕を包んでいる状況で急に寂しくなったり、色々だね。


フラフラしながらもいつの間にかほぼ毎日書くことになれつつあります。

そして確実に500枚行きそうな勢いです。


これからもよろしくお願いします。

よし、やるぞ!

ぐずぐずしてたら置いていくぞっ!

(むしろお前が置いていかれている立場だろ)



なんでこんなこと書いたかといえば、書くネタがなかったからです!(最低)


***********************************



 台所に到着すると、すでに二人は朝食の準備を進めていた。さぁ、声を張って挨拶するんだ。


「おはようございます……」


 全然駄目だった。声がまったく出ない。僕はおずおずと中へ入った。僕の姿に気づいた二人が振り返る。まず声をかけてくれたのは、滝川先輩だった。


「おう、おはよう!」元気な声に僕は少し驚いた。

「おはよ」高月先輩は少し元気がないけど、笑顔で僕に声をかけた。


 僕は軽く頭を下げて、用意されたおかずあ茶碗を居間へ運ぼうとした。すると高月先輩が近づいてくる。僕は体を固くした。というか自然に上手く動けない。


「じゃあ、この焼き魚持っていって。今日はちゃんと焼いたからね」


 おぼんに乗ったおかずを渡される。僕は両手で受け取った。と、同時に高月先輩と目が合う。高月先輩は瞳が腫れぼったい。きっと泣きつかれていたからだろう。それでも先輩は笑っていた。


 これは応えるべきだ。くそっ上手く笑え。口角を上げるだけでいいんだ。簡単なことだ。


「……どうしたの? 草弥君」


 高月先輩が少し首をかしげながら、僕を覗き込む。泣きはらしているものの、高月先輩の瞳は相変らず、惹きこまれてしまう。なんだか嬉しくなる反面、胸が締め付けられるような感覚だった。


「なんでもな――」


 僕が言い終わらないうちに、後頭部に衝撃が走る。あやうくお盆を引っくり返してしまうとことだった。後ろを振り返ると、引きつった笑顔の滝川先輩がいた。


「ったく、私達が起こしに行かなかったからって、拗ねてんじゃねえよっ!」

「そうなの?」


 高月先輩が眉を寄せて僕をさらに覗き込む。僕は頭を摩りながら、下を向いたまま、表情を作ろうと必死だった。さらに僕の足を滝川先輩が踏んでいる。「心配かけさせるな」とでも言いたいのだろう。分かってるけど……くそっ。


 僕は勢い良く顔を上げ、顔全体に力を込めた。


「いや~、これでも早く起きて待ち構えていたんですが、あまりに誰も来ないのでこっちに来たんですよ。もう、放置プレイだなんて、腕を上げましたね二人とも!」


 とりあえず無理やり笑うことには成功した。第一関門突破だ。僕の顔を呆れた表情で高月先輩が見つめている。やがて小さくため息をついて、腰に手を当てた。


「草弥君、朝っぱらからなに言ってるの。もう。起こされるのを待ってるって、子供だね」

「ですね……」


 僕は頭をかきながら、高月先輩を盗み見る。いつもの先輩そのものだ。


 ――あれほどの秘密を抱えているというのに。


 くそっ、今この時だけでいいから、平気になれ! 僕の気持ち、平気になれ!


「でも、草弥君が遅れてくれたお陰で、今日も焼魚は担当できたしね!」

「今日はさすがに砂糖と塩を間違えなかったですよね?」

「ばっ、馬鹿にして! ちゃんとほら、塩って書いてあるし!」


 先輩は「塩」と書かれた容器を僕の前へ誇らしげに突き出す。ちょっと自慢げな表情。


 ――わからないよ。どうしてそんな表情できるんですか?


「いや、威張られても困りますよ……」

「食べた後、美味しすぎて腰抜かさないでね」

「焼魚に塩なんで、素材のよさが重要ですよ」


 すると、口を尖らせて、僕をジト目で見つめた。


「一応頑張ったんだから、そこは認めなさい」

「は、はい……」


 ――僕が美国の代わりだからできる顔なのだろうか。


 考え出すと疑念が取れない。いっそ本音で話し合えたらと思う。


「はい、ラブコメは終わり。草弥、早く居間へもって行け」

「ちょっと、ラブコメしてないし!」


 先輩だけが鋭くツッコむ。僕は苦笑しか出来ない。先輩はすぐに僕へ振り向く。瞳を開いてすこし驚いている表情だ。「なんで一緒にツッコまないの?」と言いたげだった。

 僕は肩をすくめる仕草をして、誤魔化した。


 その後、表面上いつもの朝食が行なわれた。





今日はここまで!

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