11/19 23:53
今回のコメント
お昼過ぎに起きる。
よ~し、午後はメガネ買いに行くぞと意気込む。
↓
甥が昼寝するので、近くで留守番をお願いと言われ、昼間動けず。
留守番している間に一回更新。
↓
更新直後に甥が起きる。
さっそくメガネを買いに。
↓
さんざん悩んで、メガネを買い(今日中に出来た)、家に戻る。
すっかり夜。
↓
メチャイケや日本シリーズを堪能。
↓
あっ、更新してないや!
続き書こ~うっと。
↓
現在に至る。
***********************************
真琴さんに連れて行かれたのは、さっきまでミーティングをしていた居間だった。
机を挟んで僕と真琴さんは座った。夜も更けてきて、物音一つしない室内で真琴さんは席を立って僕に待つように言った。数分後、湯飲みに入れたお茶を持ってきてくれて、僕の前に置いた。
出された湯のみを手に取り口をつける。あたたかいお茶をゆっくりすすりながら飲む。するとだんだん体全体がぽかぽかとしてきた。そういえば今まで僕は寒い廊下にずっといたことを思い出す。真琴さんは怖い顔も確かにしたが、僕のことも心配してくれていたようだ。
「落ち着いた?」
真琴さんはいつもの優しい口調に戻っていた。口調とあたたかいお茶のお陰で、思考停止してた僕の頭はゆっくりと動き出していた。
「お茶、ありがとうございます。お陰で少し落ち着きました。」
「で? なにから聞きたい?」
ニコニコしているけれども、口調は極めて厳しい。僕は緩まった気持ちを引き締めた。まずは高月先輩がなにを隠しているか聞かなければならない。
「あの日記部の試験に不合格したらどうなるか教えてください」
これは重要だった。御堂真理や高月先輩がなぜここまで恐れるのかを確かめなければならない。真琴さんはニコニコした表情は崩してないが、少し俯いた。
「回りくどい話は止めるね。不合格、つまり『悲しいこと』が日記の過半数を埋めると、失格となり、日記帳に取り込まれてしまうの」
「それが消えるってことなんですか?」
「ええ。部室の本棚にあるハードカバーの日記帳を見たでしょ? あれが取り込まれてしまった、不合格になってしまった者の末路なの」
不合格になると日記帳になる。真琴さんはそう言いたいのか? にわかには信じられない。じゃあ、あの本棚にあるハードカバーはみんな不合格になった部長だっていうのか?
以前、滝川先輩は歴代部長は試験に合格し、皆ハードカバーになったといっていた。美国日記世界での高月先輩は落第した部長がみんなハードカバーになっていると言った。結局正しかったのは日記世界での高月先輩だったのだ。
「輪転の誓いは彼等の存在を費やして使われる力なの……」
「存在?」
「力を使うたびに日記のページ数が減っていき、、無くなると存在自体が消えてしまう」
真琴さんは口元に手を当てて、言いにくそうに答えた。あの不思議な力は人が存在したという証明の代償だったんだ。安易に使っちゃあいけない代物なのか。だから、高月先輩は選挙活動にもチョーカーの力を使わなかったのかと納得した。
日記世界の高月先輩が『輪転の呪い』と言ったわけが、判った気がした。
「でも、真琴さんは平気じゃないですか」
「確かに歴代部長の中では、不合格になって日記帳にならなかったのは、私しかいない」
だとすれば真琴さんが合格する術を知っているってことにならないのか? 高月先輩を救う妙案があるはずだ。僕は下を向いていた顔を上げた。
真琴さんにも伝わったらしいのか、少し視線を逸らし伏目がちになった。
「それを説明するには、最初からちゃんと言わないと……」
だが明らかに真琴さんは、言葉に困っていた。逡巡している。あれほど事実を話すと言った人が、躊躇しているなんて……僕はここで引き返すことも出来るかもしれない。今がチャンスだ。本当にヤバいことが待っているのかもしれない。
でも、やっぱり頭から離れないんだ。先輩が声をあげて泣いた姿を。何も出来ない自分。逃げ出すなんて簡単にはできない。真琴さんが躊躇している以上、僕は自ら一歩を踏み出さなければいけない。
さしあたって一度、この試験を定義する必要がある。僕は核心に迫る質問をぶつけることにした。
次の更新は1~2時間後