11/16 23:45
今回のコメント
今日の
ハンバーグ。
ポテトフライ。
野菜をいためたもの。
ご飯。
以上。
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その人。つまり、真琴さんの部屋へ僕は向っていた。
夜遅くに高校生が、人妻の部屋に行く。なんか色気のありそうな話だけど、話す場所があれば、居間だって廊下だって良いのだ。僕程度が何か言い寄ったところで、軽くあしらわれるだろう。言い寄る気もないし。
ちなみに旦那さん、つまり滝川先輩のお父さんは海外出張中らしい。仕事が忙しく、年に半分は家にいないという話だ。
とにかく今は自分に溜まったストレスを聞いて欲しいという気持ちだけだった。もしかしたら、なにか妙案を教えてもらえるかもしれない。そんな期待もしていた。
寒くて長い廊下を早足で進むと、襖から明かりが漏れている部屋を見つけた。丁度そこは真琴さんの部屋だった。
部屋の外から声をかけようとした。だけど、中から複数の声が聞こえてきたので、言葉を飲み込んだ。
「そう。大変だったわね」
「はい……大変というか、何と言って良いのか。自分でも分からなくて」
高月先輩の声だ。
真琴さんと話をしている。僕は立ち去らなきゃという思いが巡ったが、悪いと思いつつも聞き耳を立ててしまった。
「正直、あの二人には感謝してます」
「夕実と草弥君のこと?」
「はい」
襖越しの声だけでは先輩がどんな心境なのか良く分からなかった。襖を開けたい。ちょっとぐらいは良いかな? でも見つかったら……と考えていると、自然に襖が少しだけ開いた。
「静かにしろよ」
小さな声が下から聞こえた。すると、いつの間にか滝川先輩がしゃがんで同じように聞き耳を立てている。いつの間に! っていうか襖開けたのアナタですか?
「きっと、皆誰かに話したかったんだな」
滝川先輩は僕に聞こえるぐらいの声で呟いた。思いつた先は真琴さんだったわけだ。さらに僕と滝川先輩は先着を許し、寒い廊下で盗み聞きをしている。きっと滝川先輩も妙に元気だった高月先輩を心配しているに違いない。言い訳がましいけど。
とはいえ、滝川先輩のお陰で室内の様子を観ることができた。真琴さんと高月先輩は部屋の中央辺りで、向かい合って座っていた。和室なので二人とも正座から横へ足を崩して話をしている。
僕達から見ると高月先輩は背中しか見えない。とはいえ、解散するまでの背筋を伸ばした姿ではなく、少し肩を落とし、猫背気味に見えた。
1~2時間後に更新っ!