11/16 1:03
今回のコメント
ついさっきDVDで映画「レスラー」を観た。
実はそうとう前に買っていたのだけれど、観てなかった。
理由は観たらきっと、精神的ダメージを受けそうだから。
だけど、今日観てしまった。
ちょっと色々あったので、気が弛んだのだ。
結果、エンドロールが流れる頃、観なければよかったと後悔した。
感動なんて野暮な言葉じゃ通用しない。
哀しさが主成分で、しばらく複雑な自分のやるせなさを整えるのに時間がかかった。
観なければよかったなぁ。
よりによってこんな時期に観るなんてさ。
気晴らしのつもりだったのに、気晴らしになるかいっ!
余計、哀しくなったわっ!
だけど、無性に書きたくなった。
だからここにも書いてるわけだけど。
お勧めはちっともしません。観ない方がいい。
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「別に私は『恥ずかしい台詞』と言っただけで、具体的なことは、なにもいってないぞ。それに、こんなことでプロポーズされても……困る」
プ、プロポーズって! 一気に僕の顔が熱くなるのを感じた。何か言い返さなきゃ。うーん、うーん……わかんない!
「くそっ、滝川先輩に騙された!」
「騙していない!」
「じー」
はっ。高月先輩の視線が痛い。ものすごく見られてる。っていうか睨まれてる。口が尖がってる。箸を持つ手が震えている。なんとかしなければ!
「うわっ、この盛り付けも凄――」
「もう散々食べた後でしょうが」
駄目だ。ここは笑って誤魔化しておこう。
「……あははは」
腕組みして、ぷいと横を向く高月先輩。引きつった笑いの僕。呆れ顔の滝川先輩。やがて、高月先輩は怒ったフリに耐えられなくなって、噴出してしまう。つられて滝川先輩も笑い出した。
「ぷっ」
「ははは」
「もう、先輩。からかわないでくださいよ~」
室内が笑いに包まれた。話の締めが、皆の笑いだなんて、まるで日曜午後にやってる国民的アニメみたいだ。どこかテンプレートな、決まりきった食卓だった。予定調和を楽しむ余裕すらないはずなのに、予定調和で過ごしている、そんな違和感を感じた。
翌日に備えてのミーティングも終わり、僕は自分の部屋へと戻る。畳に寝転び、深く息を吐いた。この時期になれば、夜は長袖を着ていても肌寒く、背中から伝わってくる畳はひんやりしている。
静かな室内でじっと天井を見つめていたが、やがて静寂に耐えられなくなって、携帯電話をチェックしたけど、誰からも着信はなかった。こんな時ぐらい沙和と話がしたいと思うのは、我ままだろうな。だけど……息が詰まりそうだった。
やっぱり今日の三人は自分も含めて変だ。誰かに思いをぶちまけたい。無視できない出来事なんだ。だけど今の日記部では話題に出すこともできない雰囲気を感じた。できれば先輩二人以外の人が良い。
誰か……日記部の事を理解していて、先輩二人以外の人物。ふと平光先生の顔が浮かんだが却下だ。第一、今すぐ会えないし……やはりそんな都合のいい人物は……
「あっ」思わず声を出してしまったけど、たしかな人物が一人いた。僕はすぐに起き上がり、自室を出て、その人の部屋へ向った。
今日はこれまで。