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11/16 1:03

今回のコメント


ついさっきDVDで映画「レスラー」を観た。

実はそうとう前に買っていたのだけれど、観てなかった。

理由は観たらきっと、精神的ダメージを受けそうだから。


だけど、今日観てしまった。

ちょっと色々あったので、気が弛んだのだ。

結果、エンドロールが流れる頃、観なければよかったと後悔した。

感動なんて野暮な言葉じゃ通用しない。

哀しさが主成分で、しばらく複雑な自分のやるせなさを整えるのに時間がかかった。


観なければよかったなぁ。

よりによってこんな時期に観るなんてさ。

気晴らしのつもりだったのに、気晴らしになるかいっ!

余計、哀しくなったわっ!

だけど、無性に書きたくなった。

だからここにも書いてるわけだけど。


お勧めはちっともしません。観ない方がいい。



***********************************



「別に私は『恥ずかしい台詞』と言っただけで、具体的なことは、なにもいってないぞ。それに、こんなことでプロポーズされても……困る」


 プ、プロポーズって! 一気に僕の顔が熱くなるのを感じた。何か言い返さなきゃ。うーん、うーん……わかんない!


「くそっ、滝川先輩に騙された!」

「騙していない!」

「じー」


 はっ。高月先輩の視線が痛い。ものすごく見られてる。っていうか睨まれてる。口が尖がってる。箸を持つ手が震えている。なんとかしなければ!


「うわっ、この盛り付けも凄――」

「もう散々食べた後でしょうが」


 駄目だ。ここは笑って誤魔化しておこう。


「……あははは」


 腕組みして、ぷいと横を向く高月先輩。引きつった笑いの僕。呆れ顔の滝川先輩。やがて、高月先輩は怒ったフリに耐えられなくなって、噴出してしまう。つられて滝川先輩も笑い出した。


「ぷっ」

「ははは」

「もう、先輩。からかわないでくださいよ~」


 室内が笑いに包まれた。話の締めが、皆の笑いだなんて、まるで日曜午後にやってる国民的アニメみたいだ。どこかテンプレートな、決まりきった食卓だった。予定調和を楽しむ余裕すらないはずなのに、予定調和で過ごしている、そんな違和感を感じた。



 翌日に備えてのミーティングも終わり、僕は自分の部屋へと戻る。畳に寝転び、深く息を吐いた。この時期になれば、夜は長袖を着ていても肌寒く、背中から伝わってくる畳はひんやりしている。


 静かな室内でじっと天井を見つめていたが、やがて静寂に耐えられなくなって、携帯電話をチェックしたけど、誰からも着信はなかった。こんな時ぐらい沙和と話がしたいと思うのは、我ままだろうな。だけど……息が詰まりそうだった。


 やっぱり今日の三人は自分も含めて変だ。誰かに思いをぶちまけたい。無視できない出来事なんだ。だけど今の日記部では話題に出すこともできない雰囲気を感じた。できれば先輩二人以外の人が良い。


 誰か……日記部の事を理解していて、先輩二人以外の人物。ふと平光先生の顔が浮かんだが却下だ。第一、今すぐ会えないし……やはりそんな都合のいい人物は……


「あっ」思わず声を出してしまったけど、たしかな人物が一人いた。僕はすぐに起き上がり、自室を出て、その人の部屋へ向った。



今日はこれまで。

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