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11/15 2:58

今回のコメント


以前一緒に働いてたパートさんが、女子社員に亜也と同じ感じで慰めてたのを思い出しました。


あっ、そうそう。

今週は寒くなるそうなので、お体に気をつけてください。

久しぶりに更新したのに、書くことない!

(ハッキリ言ってみた)


***********************************


 納得がいく訳がない。僕は口に出すことはなかったけど、きっと反抗的な目をしているに違いない。滝川先輩も眉を寄せて困惑している。


 高月先輩にも通じているようで、片目を瞑ってため息をついた。やれやれと言いたげな表情だ。


「二人とも。私を見て」


 反射的に僕と滝川先輩は高月先輩の顔を見る。相変らず瞳は少しキツめだけど、端整な顔立ちだ。僕ならこの顔を見ただけで信用してしまいそうになる。


「日記部部員ならわかるでしょ。辛いのは皆同じ。それに当事者は私なの」


 高月先輩の瞳に力が籠もる。目力半端ない。確かに一番ショックを受けているのはきっと高月先輩なんだ。だけど、先輩は平気そうな顔をして選挙活動をしていた。


 僕の視界の端で何かが揺れた。肩を震わせて泣きそうになっている滝川先輩だった。こんな先輩始めてみる。震える声で高月先輩に話しかけた。


「だ、だけどさ……」

「夕実。あれはチョーカーの力なんだから、貴方のせいじゃない」


 高月先輩は滝川先輩の震えを止めるように、両腕を強く掴んで引き寄せた。


「道具はね、使う人によって毒にも薬にもなる。彼女はセルフコントロールが出来なかった。あれは自滅。驕れる者久しからずってね」

「亜也ぁ……」


 滝川先輩は高月先輩の肩を借りて、声を忍ばせ少し泣いた。僕は後ろを向いて見ないことにする。


 だけどすぐに背後から高月先輩の声が聞こえる。


「草弥君。御堂先輩を庇う美国先輩を見てたよね?」


 僕は背を向けたまま、頷いた。普段、温厚に見えた美国が見せた必死な姿。なにがなんでも守り抜くという意思を感じた。


「私が同じ状況になったら君に同じこと……いえ、それ以上のことができる?」


 挑発だった。僕の心を絶妙にくすぐる巧妙な挑発。試されているのかもしれない。どんどん僕の心の奥から力が湧いてくる。高月先輩の言葉は魔法かもしれない。


「できます。美国には負けません」

「……ありがとう。だったら、今は選挙活動を頑張って頂戴。それが一番助かるから」

「了解です!」


 僕は二人を置いて駆け出していた。単純と言えば言えばいい。それだけの力が高月先輩の言葉にはあるんだ。


 こうして僕は選挙活動に身が入った。後から先輩二人も合流して、下校時刻までしっかりと選挙活動を終えた。


 やはり、高月先輩は凄い人だ。二人の気持ちをここまで立ち直らせるなんて。





今日はここまで。


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