8/13 4:32
今回のコメント
・いつもの今日の夕食
ひやむぎ
イカと里芋を煮たもの
炒り卵(くそっ、止められないっ!)
サボったと思ったろ。(誰に言ってる)
昔のCDを漁ってたらこの時間さ。
中村一義とか初期のくるり、初期のHYとか10-feetとかマキシマムザホルモンとかレッチリとか(キリがない)他色々聴いてた。
「金字塔」「ERA」「図鑑」は、いつ聴いてもいいなぁ。
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▲主人公回想。
桜が舞い散る学校の校庭。見覚えがある。確か僕が通ってた中学校だ。風が吹くと少し肌寒い。さっきまで夏だったはずなのに。……そうか。これは思い出なのかな?
外にはすでに多くの生徒が卒業証書を持ってたむろしていた。よくある卒業式の光景だ。僕の手にも卒業証書が握られているということは、自分達の卒業式だということか。
ハンカチを瞳に当てながら泣きじゃくる女生徒。目を真っ赤にしながら笑顔で語り合う生徒と先生。校舎の隅では後輩らしき女生に告られてる、同級生。悲しくも晴れがましい場所で僕は所作なさげに立ち尽くしていた。『悲しくも晴れがましい』気持ってなんだろう。表情にだせない。困惑だけが僕を心細くさせた。泣いたら良いのか。もしくは笑ったらいいのかな。気持が凪いだ海のように動きがない。
「こら薄情人間」
真っ先に反応してしまうのが悲しいが、僕は声のする方へ向いてしまった。
「なんだ。沙和か。挨拶は済ませのか?」
「はぁ。こんな時ぐらい言うことないの?」
僕よりやや目線の低い、ショートカットの女の子、それが守屋沙和だ。僕とは幼馴染で、お隣さんだ。漫画に出てくるシチュエーションだが、恋愛感情はまったくない。兄弟みたいな感覚で今日に至るので、告白の予定もない。
「じゃあな、沙和。先帰る」
「馬鹿じゃないの! いや、馬鹿でしょ? 今日は卒業式だよ。もう皆に会えないかもしれないんだよ」
ちなみに沙和は中学時代、陸上部だった。僕と話している最中も、ひっきりなしに陸上部の後輩が沙和に話しかける。先輩である沙和が泣きじゃくる後輩を慰めたりしている。こいつ、意外と慕われているんだな。
「挨拶したい奴にはもう済ませたし、僕は帰るよ。それに沙和とは同じ高校じゃないか」
僕の言葉に肩が揺れるぐらいに盛大にため息をつく沙和。彼女は少しだけ口を歪ませて呟くように言葉を繋ぐ。
「涙の一つもでないわけだ……」
「泣かないと駄目なの?」
「駄目じゃないけど自然に出ない?」
よく見ると沙和の瞳は赤くなっていた。手にはハンカチも持っている。僕は沙和の非難めいた視線に耐えられなくなって、誤魔化すように頭をかいた。
「うーん。涙はでないな。なんでだろ?」
「……それはね」
沙和の瞳に力がこもる。
「それはアンタに大した思い出がないからじゃないの?」
図星だった。中学時代、家と学校の往復だけだった僕に対した思いでもない。しかも、「思い出がない」と指摘されても、ちっとも感情が動かなかった。
このまま僕は感情が動くことのないまま死んでしまうのだろうか。胸がそわそわした。胸騒ぎが止まらない。ずっと、ずっとこのま――
「うっ、うええええっ……」
胸からこみ上げてきた異物感に耐えられなくなって、僕は口から液体を吐き出した。
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もう寝るっ!