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11/9 1:59

今回のコメント


突然ですが。

不定期に行なう登場人物名前の解説コーナー

(決してネタがないわけではない)


まずは、主人公の草弥甲斐斗です。


これは苗字と名前に分かれます。


まず苗字。

草弥ですが、「弥」は「や」とも読みますが「び」とも読みます。

「くさや」ではなく「くさび」です。

これはもちろん「楔」から来ています。

過去と未来を結ぶ楔だったり、先輩と後輩を結ぶ楔といった意味を込めました。


次に名前~

甲斐斗ですが、こっちは簡単です。

「かいと」→「解答」です。


あらゆる意味において

『トロフィ』の楔となり、解答を示して欲しいという作者の願いです。


果たして甲斐斗は「トロフィー」に答えを示すことができるのか?

さらに作者は完結させる気があるのか?


では続きをどうぞ。(また誤魔化した)



***********************************



 日記部の活動を考えると、授業はあまり耳に入ってこなかった。沙和とも顔を合わせることなく、あっという間に放課後になり、僕はいそいで日記部の部室に向う。


 旧校舎の二階、三階と駆け上がり、四階に到着する。このまま真っ直ぐ行けば部室の扉があるのだけれど、今回は勝手が少し違った。 滝川先輩が部室前で室内を伺っている。


「どうしたんですか?」


 すると僕を見るなり、人差し指を口元に当てた。「静かにしろ」と言いたいらしい。不思議に思いながらも、指示に従い、少し開いた部室を覗き見した。


 室内には高月先輩がいつものように座って日記を読んでいた。特に変わりない風景だ。僕が滝川先輩を見つめると、先輩は耳打ちした。


「機嫌が良すぎないか? 耳を澄ましてみろ」


 なんのことか分からないままに聞き耳を立てると、先輩から鼻歌を歌っているような声が聞こえた。さらに良く見れば体もリズムに合わせて小さく揺れている気がする。


 僕は驚いて再び滝川先輩を見ると、先輩は腕を引っ張って少し離れた場所へと連れて行く。部室とは反対の隅に連れてこられた。


「なにがあった?」


 回りくどい事は聞かずに単刀直入、滝川先輩らしい。だけど、美国のことか、昨日の夜の出来事か、どちらが原因で機嫌がいいのか、僕にも正確なことが分からないのだ。


 よし、ここは誤魔化すとしよう。


「滝川先輩には言わなかったのですが、昨日、高月先輩と美国進が楽しそうに話を……」

「そんな事は知っている」

「ええっ」

「馬鹿にするな。いつも亜也が止めに入っていたのにお前が来たんだ。変だと思うのが普通だろ」


 バレてたのか……さすがは滝川先輩。僕が感心したところで先輩の疑問は終わらない。


「だとしたら、もっと感傷的になっていても変じゃないだろう」


 言われてみると確かに先輩だった美国ではない。それに朝だって高月先輩は機嫌が良過ぎる気もする。だけど、機嫌が言い事のどこが悪いんだろう。もう少し楽観的に考えても良いんじゃないかな。


「滝川先輩、大丈夫ですよ。気にしすぎですよ」

「……上手く感情がコントロールできていれば問題ないのだがな」


 滝川先輩はしばらく俯いていた後、気合を入れなおし、僕と一緒に部室へ入っていった。先輩の言った意味を考えたけど、よくわからなかったので、後を追うことにした。




今日はここまで。

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