11/8 7:56
今回のコメント
くそう。昨日はあと一回だけ更新しようと思っていたのに……
睡魔の奴めぇ~(責任転嫁)
と言うことで一回だけ更新!
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全然眠れなかった。布団に入ってずっとボーっとしていた気がする。先輩たちが来る前に着替えて自室で待っていた。昨日から何度触っただろうか? またおでこを摩る。
昨日の出来事は嘘のように思えた。結局、高月先輩怒っていたのか、許してくれたのか分からない。だけど嫌いな奴のおでこにキスしないだろうという結論が出て、自然にニヤついてしまう。あ~、もう一度昨日を再現したい。なんていう思いを引き裂くように、勢い良く大きな音をたてて襖が開かれた。
「お~っす! さっさと起き……ってあれ? もう起きてる」
音の方へ顔を向けると、滝川先輩が仁王立ちで立っていた。そして後ろには……
「おはよ。早く起きてた割には眠そうな顔ね」
なんて憎まれ口を言うのは高月先輩だった。今日もネコのような瞳で僕を見つめてくる。肩にかかった艶のある長い髪をさっと払う姿はとてもさまになっていた。
「お、おはようございます……」
高月先輩と瞳が会った瞬間、はじけるように僕は顔を逸らした。横目で見ると高月先輩も同じように横を向いていた。滝川先輩はジト目で二人を交互に見つめた後、ツカツカと僕の前まで来て、頭を叩いた。
「な、何するんですか!」
「わかんが勘だ。急にムカついた」
滝川先輩もだてに先輩じゃないな。勘が鋭い。
朝食作り三日目となるとすでに役割分担は完了していた。先輩二人が調理し、僕は主に後片付けと配膳係だ。高月先輩の味噌汁はすでに飲んでも差し支えないレベルに達している。もともと滝川先輩は料理ができる。何の不安もなかった。
テーブルには用意された朝食が並んでいた。皆が一斉に食べ始める。
「これ焼きジャケですよね」
「ちゃんと火が通っているだろ」
「通ってますけど……砂糖が振りかけてありませんか?」
「気のせいだろ。きっとお前だけだ」
「イヂメですか?」
「そんなの亜也に聞けよ。お前の分は自分で作りたいって言ったんだから」
僕は勢い良く高月先輩へ顔を向けた。
先輩は味噌汁をすすっている。お椀で顔は見えないが、手が震えている。これは羞恥心なのだろうか怒りなのだろうか。
「ベタな失敗だから許してやれよ」
「……わ、わかりました。っていうか、甘いの好きですし!」
僕はむりやり焼きジャケを口の中へ放り込んだ。
ということで夜更新!