11/6 22:03 『1K→2DK』①
今回のコメント
中日日本シリーズ進出っ!
まさかの井端のホームラン。
荒木のフォアボールも助けになってたね。
まさにアライバコンビの得点だった!
(ホームランはできすぎだけど)
『トロフィー』は、絶賛選挙編中なのですが、
選挙活動三日目から、かなり話が展開します。
色々と整理をしたいので、今日はお休みです。
代わりにもなりませんが、短編を数回に分けて載せます。
かなり短い話になります。
短編として「なろう」に掲載する程ではないので、時間つぶしに載せちゃいます。
タイトルは「1K→2DK(仮)」です。
思いついたのは10月中旬。
そう、タイヤのパンク事件の日です。
パンクを直しながら思いつきました。
他愛のない話ですが、どうぞよろしく。
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『1K→2DK』
そこにあるものがなくなっている。
手を伸ばしたら、何もない感触がして私は目が覚めた。
薄暗い室内、体を起こして隣を見る。
二つ並んだベッドの片方に彼はいなかった。
またか……
私はベッドから降りると、ドアへ向かう。
すぐ隣に行けば洋間がある。予想通りドアの隙間から明かりが漏れていた。
私はドアをほんの少しだけ開ける。
彼は居間のソファーに座り、なにもせず、じっと正面を見ていた。
時間は午前二時過ぎ。寝たのが二十三時過ぎだから、三時間後の出来事だ。
私はドアノブをきゅっと握る。ほぼ同時期に彼はゆっくり動き出した。
煙草に手を伸ばて一本取り出し、口にくわえようとする。
でも、なにかに気づいたように煙草を元に戻す。
きっと私が「居間では吸わないで欲しい」と頼んだからだ。
引っ越そうと言ったのは私だった。
もともとは1kの一人暮らしをしていた私の家に彼が転がり込んできた形。
寝食同じ部屋で過ごした。ベッドはセミダブルに二人で寝ていた。
あの時も今日みたいに夜中に目が覚めた私。
背を向けて肩を震わせている彼を何度か目撃した。
その度、何も言わず私は彼の背中に体を預けた。
すると震えが止まり、少しだけ彼の体の重みが私にもたれかかる。
私はややまどろみながらも、任せてもらった体の重みに安心して眠りについた。
だけど、今はどうだろう。
彼が悲しんでいるという予感は相変らず当たるのに、私はドアの隙間から悩んでいる姿を眺めるだけなのだ。ドアを開けて踏み出せばそれですむのだろう。だけど、見てはいけないものを見た気がして、足がすくむのだ。
拒否したわけじゃない。もっと安心した暮らしがしたくて引っ越したのに。
私はこれからも一緒に暮らすのなら、お互いの時間を確保したほうがいいと思ったから、ベッドも二つ用意したし、部屋だって増やしたのだ。
将来を夢見たはずなのに、足元を、現在を、おろそかにしたのだ。
結果、できたのは隙間だった。私には飛び越えることのできない隙間だった。
それに。どうしたんだろうね、私。
安心が欲しかったら、今すぐドア開ければいいのに。
あの時みたいに体を寄せ合うこともできない。
だって、本当に私を必要としてくれるんだったら、居間なんかで泣かないよね。
引っ越したことで彼を困らせているの?
重圧をかけてたのかな……
更新は1~2時間後




