表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
224/539

11/6 9:15

今回のコメント


いままでの統計で、朝9時と8時に更新したことはなかった。

ということで今回9時台に更新成功!


亜也らしい気持ちの伝え方ってなんだろうなって考えたら今回の結果になりました。

あとはラブコメらしさ?


普通は立場が反対のなのかもしれないけど、そこは姉萌好きなので、こんな感じで。

(姉好きとか関係ないし)


というか朝っぱらから僕は何を書いているんでしょうか……

(まぁ、いいじゃん)



***********************************



「あ、あの……僕は……」


 何を話しようとしているんだ僕は。「楽しかったですか?」とでも聞くつもりか? もしくは「余計なことをしてすいません」と謝るのか? どちらにしても情けない態度だ。ここは知らないフリをするのが一番かもしれない。自分が傷つかないためにも。先輩は首をかしげながら僕に話しかけた。


「どうしたの? なにか言いかけたけど?」

「べ、別に。それよりも高月先輩こそどうしたんですか?」

「私はね。今日のことを草弥君に一言言いたくて……」


 高月先輩は口元に手を当てながら、ゆっくりと僕に近づいてい来る。条件反射なのか僕は後ろへ一歩下がった。


「なんのことですか?」

「わかるでしょ……ね?」


 また一歩、また一歩と先輩が歩みを進める。僕はどんどん後退して行くが、すぐに壁にぶつかった。これ以上下がれない。先輩は構わずに前に進んでくる。どんどん僕を見つめる瞳が近づいてきた。潤んでいるのか、瞳の中で光が乱反射している。


「美国先輩とのこと、君が仕組んだんでしょ?」

「え……っと」


 本当のことを言って良いのだろうか。いや、もうばれているのかもしれない。美国なら言いそうだ。くそっ、ちゃんと口止めしておけばよかった。迷いと同時に先輩から甘い香りが漂ってくる。


「分かってるんだから」


 僕との距離数十センチ。ゆくっりと先輩の顔が近づいた。髪がさらりと肩から落ちる。僕の体は硬直してまったく動けない。それどころか自分が支えきれなくなって、少しずり落ちたけど、なんとか壁を使って留まっている。先輩の前髪と僕の前髪が触れ合った。と同時に先輩の囁くような声が聞こえる。


「ありがとう」


 先輩と僕の瞳がおそらく数センチの距離で見詰め合う。胸の鼓動が頭に響く。これ以上先輩、近寄らないで、と願った。僕は目を瞑る。ついにおでことおでこがくっついた。


「――って、私が言うかと思った?」


 次の瞬間、おでこがぐりぐりと押し付けられる。嬉しいを通り越して痛い。


「せ、先輩」

「ふざけないで!」


 僕は目を瞑ったまま痛みと大声に耐えていた。


「こんな事されて私が喜ぶと思った? はぁ? 馬鹿にしないで!」


 壁と高月先輩のおでこに挟まれて、訳が分からない。しかも、怒られてるし!


「私を分かった気になって調子に乗らないで! 先輩に何かしてやったと思うなんて百年早い!」


 おでこを押し付ける動作から、数センチ離しては、何度も僕のおでこを打ち付けた。頭にずんずんと衝撃が走る。おでこと壁にぶつかって二度痛い。


「くやしいっ! くやしいっ!」


 僕は痛みに耐えながらも薄目で先輩をうかがった。すると先輩は歯を食いしばって、僕を睨みつけている。気のせいかうっすらと目じりに涙が溜まっているように見える。本当に悔しいのか、はたまたおでこが痛いのか、どちらだろう。僕は思わず声を上げた。


「せ、先輩、痛いですって!」

「こんなの全然痛くない! 私の痛みに比べたら、大したことない!」


 打ち付ける動作から再びおでこを押し付ける動作に変わる。髪の毛がこすれる音と共に頭が圧迫される。先輩はしばらく無言だったけど、やがて小声で僕へ呟いた。。


「なにより私が悔しいのは……」


 次の言葉を聞いた瞬間、僕は思わず目を開いてしまう。


「仕組んだ後で落ち込むんだったら、あんなことしないでよ」


 僕の気持ちは見透かされていた。先輩は知ってたんだ。

 瞬間的に体の力が抜けていく。先輩は僕の肩を掴んで押さえつけた。力強くも潤んだ瞳が僕を睨みつける。


「次、あんなことしたら絶対に許さない」


 先輩の瞳が視界から消える。同時に首元が視界に入った。高月先輩は掴んでいる肩を少し下げて、僕のおでこへ顔を近づける。吸い付くような小さい接着音がした。次いで柔らかい感触をおでこに感じる。


「許さないんだから」


 先輩は呟きながら、つかんだ肩を離すと、僕は床までずり落ちてしまった。なにをされたのかわからないままに呆然とする僕。先輩は「あっ」と小さく声を上げると、走り去った。


 おでこがひんやりする。これって……

 しばらく頭が真っ白になったまま僕はその場に座り続けた。


「わけわかんねーよ!」





更新は……午後かな? 多分。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ