11/1 22:45
今回のコメント
今日の夜は~?
ホワイトシチュー!
シチュー曜日だね!(勝手に命名)
まだまだ印刷は続いているけど、ちょっとだけ更新。
続けることは大切だからね。
***********************************
朝は先輩達の小競り合いで終わってしまった。僕達は続けざまに昼休みの選挙活動に突入する。昼休みは事前に用意した購買部改革のチラシを、購買部の近くで配ることにした。先輩達の小競り合いは学校内で、それなりの話題になっているらしく、チラシを受け取ってくれる人は多かった。
だけど、僕は選挙活動に身が入っているとは必ずしもいえなかった。二つの問題を抱えていたからである。
一つ目、試験不合格になったときは、どうなるのか? これはすぐに解決できない。滝川邸に帰ってから改めて高月先輩に聞くべきだろう。
問題は二つ目だ。それは、高月先輩と美国進を一度話をさせてあげたい、という気持ちが沸いている自分がいることだった。
話してみると美国は良い奴だった。高月先輩はずっと片思いだった。もう、高月先輩の知っている美国には会えない。と考えると、先輩を喜ばせるには美国と話をさせることが近道だということは分かっていた。きっと僕が橋渡しすれば上手く行くだろう。だけど……それでいいのか? と、もう一人が止めにはいる。
自分を差し置いて美国に夢中になる高月先輩を思うと、息苦しくなる。会って話をさせたら危険だと、もう一人の僕が告げる。
でも同時に自分はこんなにも情けない人間だったのかと痛感させられる。ただの先輩と後輩の間柄なのに彼氏気取りで嫉妬している。小さい人間だ。なんだか気持ちが沈む。
ふと横目で見ると、高月先輩は笑顔をふりまいて購買部改革のチラシを配っていた。無理して笑ってる。それは選挙活動なのだからしょうがないけれど。僕からするとあまり良い気持ちではなかった。これもたぶん嫉妬の一種に違いない。自分以外に笑顔を見せないで欲しいという、利己的な気持ちだ。
「草弥、なにしてる。お前も早く配れ!」
滝川先輩にせかされ、僕もチラシ配りに参加する。笑顔になって紙を渡す。自分だって笑顔で対応しているのに、なに考えてるんだ。嫉妬するってことはやっぱり僕は先輩のことが好きなのだろうか。さんざん悩んでおいて自分の気持ちを確定できないでいた。
チラシ配布は大成功だった。おそらく昨日と今朝の騒ぎが影響しているのだろう。上手く
「制服対昼食」の戦いに持ち込めれば、良い勝負になるだろう。高月先輩と美国も気になるところだが、選挙に勝つことが重要なのだと自分に言い聞かせて忘れることにした。
部室に帰る途中、美国陣営と渡り廊下ですれ違った。僕達はすぐにお互いを発見した。
「おーい、草弥く~ん。頑張ってる~?」
美国が僕に対してぶんぶん手を振って、挨拶をしてくる。いや、止めて! 変な誤解されちゃう! すでに滝川先輩が鬼の形相でこちらを見てるううぅっ!
両陣営とも引くことなくどんどん近づいてくる。御堂真理と滝川先輩がお互いの進路上に立ち、にらみ合っている。どちらも譲る気はないようだ。「う~っ」とか唸っている。
二人をするりと抜けて、美国が僕の前で立ち止まった。
更新は1~2時間後!