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10/27 23:49

今回のコメント


今日という日の夕食


・もやしを中心とした野菜炒め

・漬物 (キュウリ・なすび)

・ごはん


以上(少なっ)


くそっ、誰だ!

17時過ぎてから勉強会を開いたのは!

おかげでこんな時間。(八つ当たり)



***********************************



「痛たたた……」


 僕は頭を摩りながら、通学路をトボトボ歩く。冬に差し掛かるこの季節、冷たい風はひんやりと頭を冷やしてくれた。


「男がぐずぐず言うな! それと今日は日記世界以外で亜也に近づくの禁止な」

「昨日のは誤解だって言ったでしょ」

「逃げたこと自体、お前がやましい事をしたという自覚があったからだろう」


 数歩前には高月先輩と滝川先輩が歩いている。僕が恨めしそうに前を見ると、高月先輩が一瞬だけ振り向いてくれた。先輩に片手で拝むようにして、ウインクされる。ごめんねの合図だろう。これが成仏しろよの合図だったら困る。


 それにしても、部長の日記の秘密を教えてもらい、本当なら気持ちが晴れるところなのだが、事実を知って新しい荷物を背負った気分になっていた。


 知ってしまった事実、その一、先輩は今までの高校生活を楽しんでいないという事実。その二、今から挽回して楽しい高校生活を送らなければいけない事実。

 特にその二は、僕も手助けできるってところが重要だ。


『そっくりだという事実と、私は美国先輩が好きだった事実』

『でも、それは君が好きってことにはならないよね』


 嫌な事を思い出してしまった。今は色恋沙汰は関係ない。同じ部活の後輩としてできる事は何かを考えなければいけない……と思う。


「さささっ、ささっ!」


 このアピール度満点の声に反応して良いのだろうか。ちょっと立ち止まってみよう。


「ささっ、ピタッ!」


 朝から元気だなぁ。僕はため息混じりに後ろを向いた。すると電柱の影に隠れるように女の子が身を潜める。


「しーん」

「……オノマトペを口出す奴があるか。出て来いよ、沙和」

「バレたか」

「めちゃめちゃ、アピールしてたろ。チョットだけ真横に来たよな」


 照れ笑いを浮かべながら電柱から沙和が顔を出す。僕が手で招くと嬉しそうに駆け寄ってきた。近くに来たタイミングを見計らって、でこピンを喰らわせた。


「痛――いっ!」

「すまん、八つ当たりだ」

「正々堂々と八つ当たり宣言なの!」


 おでこを摩りながらいつのまにか一緒に歩き始める沙和。心配できっと来てくれたんだな。だって、自宅から滝川先輩の家の通学路に来るには、学校までの道のりは遠回りになるからだ。


 丁度、愚痴りたかったので、一緒に歩くことにした。


「なぁ、聞いてくれよ」

「なに? 何でも聞くよ!」


 沙和の瞳はキラキラ光っているように見えた。これぐらい先輩達も話を聞いてくれたら良いのに。


「仲良くなるのが目的の合宿で、本当に仲良くしたら、殴られた。何を言ってるか分からないと思うが本当にわけがわからない」


 僕が言い終わった瞬間、沙和は立ち止まった。数歩進んでしまった僕は、振り返る。すると沙和は少し俯いていた。僕は近づき、覗き込むと、いきなり胸倉を掴まれた。


「ほほう、よく聞かせてもらおうじゃない。特に仲良くなった内容を!」

「な、なんでお前までが怒ってるんだよ」


 僕が掴まれた胸倉をなんとか離すと、沙和は口を尖らせた。




更新は1~2時間後ですよ……


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