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10/26 22:57

今回のコメント


・今日はカレー曜日!


だからカレー!


以上。



23日以来の「トロフィー」始まるよ~!


前回までのあらすじ。


世界滅亡まであと三ヶ月。日本滅亡記録部、通称日記部のメンバーであるヤン・高月とラインハルト・フォン・草弥との壮絶な戦いもいよいよクライマックスを迎えた。

イゼル滝川ローン要塞の無血開城に成功したヤン・高月に対抗すべく、大軍を率いて奪還に向かうラインハルト・フォン・草弥との常勝VS常敗との火蓋がきって落とされようとしていた。



***********************************



 高月先輩の後をついていく。長い髪がサラサラ揺れていた。先輩の部屋で話をするっていうだけで緊張するのに、日記の話もあると言うことで僕は余計に緊張した。


 部屋の前に到着すると、少し待つように言われた。部屋の中からゴソゴソと音がして、数分後、「入って良いよ」の声が聞こえたので、室内に入った。


 滞在二日目なので、室内は特に僕と変わらない。とはいえ、キョロキョロしていると耳を引っ張られた。


「女の子の部屋をジロジロ見ないの」

「すみません、好奇心が抑えられない高校生なもので」


 部屋の中央においてある机の周りに座る。正座をして座ると、すぐに「足くずして良いよ」と声をかけられる。高月先輩と僕は机を挟んで向かい合う。


 隣にいることはあっても向かい合う事は少なかった。正面から見据える先輩は背筋を伸ばし凛としていて、やはりまともに見ることができない。


「なんだか、緊張するね」

「そ、そうですね」


 先輩は僕ごときで緊張しているのか。とはいえ、若い男女が夜に部屋に二人きり。部屋は静だ。ゴクリと生唾を飲もうとしたけど、少し躊躇した。僕がくだらないことに緊張していると、高月先輩は下に置かれてあったものを取り上げた。


 先輩の胸には大事そうに和綴じの日記帳が抱えられている。


「草弥君、この前言った事は嘘じゃないの」


 唐突だけど、以前の美国日記世界で交わした会話のことだろう。部長専用の和綴じの日記帳が先輩の心を通じて自動書記されるっていう話だ。


 なんでもその内容を平光先生が確認するらしい。先生の審査が合格であれば、ハードカバーの日記帳とトロフィーがもらえるらしい。そんな内容だったはず。


「……だけど、あれで全てじゃない」


 言った後、先輩の唇はわずかに震えていた。すると抱えていた本をゆっくりと前に差し出す。俯き加減に僕へと話しかけた。


「裏表紙から日記を見てくれる?」

「裏表紙ですか? なんで?」

「いいから」

「本当に中身を見て良いんですか?」


 高月先輩は黙って頷いた。それを合図に僕は手を伸ばして日記を受け取る。心なしか手が震えた。手に感じる和紙の感触は少しざらざらしてて、繊維質がわかる荒い作りだった。


 僕は日記帳と書かれた正面から裏を向け、手をかけた。



更新は1~2時間後。


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