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10/20 23:45

今回のコメント


いかん。そろそろお話を整理しないととっちらかってくる時期だ。


これは後で後悔するかもしれないけど、ちゃんとこの連載の統計取ってるんだよね。

執筆バイオリズム的には、この時期辺りが一番苦しい時なんだよね。

だから、そろそろちゃんと書くことを整理しないと、日常シーンがただ続くだけなっちゃう。

日常を描く話ならいいけど、トロフィーは違うからね。

ふむ……整理しないと。



***********************************



 沙和がドイツ人かどうはさておき。言葉はふざけているけど、反省してるみたいだから、許すとしよう。


「冗談いえるぐらいだから、元気なんだな。じゃあ切るぞ」

「待って、待って、待って!」


 沙和が大声が受話器越しから聞こえる……う、うるさい。僕が「なんだよ」って言うと沙和は「よく聞いてね」と前置きした。


「高月先輩には気をつけて。あの人は小悪魔だよ。いや、稀代のワルだよ」

「なにそれ? 若い僕にはわからないなぁ」

「きっといつか甲斐斗を危険な目にあわせるよ。あの人はそういう顔してる」


 人の悪口を言うようなタイプじゃなかったのに、どうしたんだコイツは。僕は頭をかきながら、ため息をつく。


「お前なぁ。高月先輩とまともに話したことないのに印象で語るなよ」

「語るよ! 甲斐斗を守るためだったら!」

「守られている覚えはないぞ」

「影からそっと見守ってるから!」

「だったらメール送ってくるなよ。思いっきりアピールしてるじゃねえか!」

「たまには褒めて欲しいし」


 沙和……お前はどうしたいんだ。気持ちがさっぱり分からん。心配してるのは分かるが、お前のしている事は結局、僕と高月先輩の邪魔だぞ。

 そして言ってはいけない気持ちを僕は思わず口に出してしまった。


「見苦しいぞ」


 すると、数秒の沈黙の後、沙和はポツリと答えた。


「だって心配なんだもん……」


 この言葉を聞いた瞬間、僕は胸の奥が締め付けられるような感覚になった。心配の裏返しとして、気になる人(沙和の場合は友達)の邪魔ばかりしてしまう。それって僕じゃないか。沙和がなんとなく自分とだぶった。僕も見苦しいのだろうか。


 実際、僕も美国とはまともに話した事はない。だけどアイツの事を嫌いだと思ってる。話す機会があると二人の間に入って、高月先輩の気持ちを無視して追い払っている。僕は最低だな。


「おい、沙和」

「ん?」

「心配してくれてありがとうな。だけど普通で良いんだよ。無理に僕を助けなくて良い。お前の気持ちだけありがたく受け取るよ」


「うん……」受話器越しに沙和が泣き声なのが分かった。本当に僕のこと心配してくれているんだな。高月先輩の事は誤解だけど。


「メールはして良いけど一日三通まで」と約束して沙和との電話を切った。

 沙和には直接、間接あれど、いつも世話になってるな。期末テストが終わったら何かおごろう。僕は気持ちが少しだけ軽くなったような気がして、お風呂へ行くため部屋を出た。





更新は1~2時間後です。


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