10/20 22:09
今回のコメント
今日の夕食
牛丼
以上。
毎度毎度の寝オチでございま~す!(開き直り)
ということで、お詫びとして、今回はお昼休みに書きました、
ちょっとだけ帰って来た『ア↑コガレ』をお送りします。
(これお詫び?)
『ア↑コガレ』とは、昨年末集中連載して、放置している連載小説。
作者のアコガレをみんなの前で発表し、読者様はただ頷くという、アメリカからやってきた新しい概念、それがア↑コガレ!
オチがない、意味なし、でもほのぼの!
日常系だし、ほのぼのだし、最高じゃないですか!
***********************************
第?席「今日はメガネ記念日でア↑コガレ」
教室の隅で打ちひしがれる男が一人。阪野将である。
「な、なんてこったーっ!」
頭を抱えている彼の元に、瞳を爛々と輝かせて近寄る女の子、古賀かごめである。
「どうした阪野?」
「お、俺としたことが、なんたる不覚……」
「なにか失敗しちゃった?」
「あぁ、とてつもなく大きな失敗だ」
腕組みして頷く、かごめ。そして閃いたとばかりにぽんと手をうった。
「良い方法があるよ!」
「いや、今の俺になにも通じない……」
するとかごめは、後ろを向いて、少し離れた場所にいる女の子に声をかける。
「加奈カナ~! ちょっと阪野にちゅーしてあげて~」
「できるか! この、ばかごめ!」
信じられないスピードでかごめの後頭部に打撃を与えるメガネっ子。飯野加奈である。
大きな音をたてて、前のめりに倒れそうになる、かごめ。頭を摩りながら、加奈を涙目で恨めしそうに見つめる。
「痛いよぉ」
「自業自得!」
加奈は腰に手を当て「ふん」と鼻を鳴らす。
しかしすぐに背後からの視線を感じた。
「じーっ」
「(さ、阪野くんに見られてる。もしかしてキ、キスして欲しいのかなぁ)」
顔を真っ赤にして、メガネを曇らせる加奈を見て、阪野将は心の中で頷く。
「(飯野さん。今日のメガネは微妙に色違い!)」
痛みがとれたのか、かごめは頭を摩るのを止めて、将に尋ねた。
「で? 一体どんな失敗をしたのかね」
「十月十日を逃してしまった~っ!」
「へ?」
「メガネの日だろ! わかんないのかよ!」
その場にいた全員が「わかんねえよ!」と叫んだのは言うまでもない。
かごめは不満そうに口を尖らせながら答えた。
「いや、体育の日でしょ……違うか。コンピュータ言語の日だよ。イチとゼロで構成されているから。これも違うね。うーん、うーんとね……良いのが浮かばない」
かごめは懸命に十月十日合うように語呂を考える。
だがすぐに飽きたのか、加奈をみて目を光らせた。加奈は一瞬頬が引きつった。
「こんな時は記念日博士、加奈カナに聞くのが一番」
「勝手に決めるな!」
「加奈ちゃん、Don't think,feelだよ!」
かごめの前に加奈が立ちふさがる。両手を重ね、ぽきぽきと指を鳴らしてかごめに近づく。かごめには加奈の体中から立ちこめるオーラが見えた。
「了解だ。感じたままにお前を殴る!」
「えええっ!? じゃあ、まどかちゃん、変わりに決めてよ!」
スケッチブックへ懸命に何か書いていた南野まどかが、顔をあげ、かごめを見つめる。
「おい、俺の話はま――」
すっかり存在を忘れられた阪野将は置いておいて、懸命に叫ぶかごめ。
「まどかちゃん、早く~っ!」
まどかの口がゆっくり開き、ポツリと聞こえる声。全員の視線が彼女に集まった。
「……友達の日」
「へ?」
「10×10=100。友達100人できるかな?」
「まどかちゃん……」
いつも無表情のまどかが少しはにかんで答えた。
「だから友達は大事……仲良くね」
「こ、これは……」
かごめがまどかに近寄り、スケッチブックを覗き込む。驚愕の表情を見せて、皆へ向かって振り返った。
「みんな! まどかちゃんが久しぶりにしゃべったよ!」
「スケッチブックの件はどうしたっ!」
皆がまどかのスケッチブックに集まるが、誰も何も言わない。口に出したら負けだと思っていた。
騒ぎから少しはなれて鶴来彩香は甘いものを食べながら、彼女の能力が発動する。
まず将の心を読む。
「(メガネの日も大事だけど、かごめがこんなに近くに! テンション上がる!)」
続いて、かごめ。
「(あー、今日の晩御飯なんだろ)」
最後に加奈の心を読んだ。
「(阪野くん。私の中では毎日がメガネ記念日だよ)」
教室の隅で彩香はハンカチをそっと出して自らの目頭を拭った。
「……加奈ちゃん。不憫な子」
ちなみにメガネの日は十月一日である。
第?席「今日は眼鏡記念日ア↑コガレ」 終わり。
更新は1~2時間後です。
(次の更新は普通に『トロフィー』です)




