10/19 23:21
今回のコメント
今日のご飯
チャーハン
ラーメン
ギョーザ
手抜き!
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何度か場所を変えながら選挙活動を終え、僕らは元の世界へ戻った。
「ねー、ねー、楽しかった?」と嫌味にも聞こえる平光先生の話を適当にかわし。合宿なのでそのまま滝川邸へ歩いて下校する。
十一月ともなれば、十八時にはもう辺りは暗い。住宅街を歩いていたので、周りの家から明かりが漏れていた。
三人共に無言で歩く。なれない選挙活動に疲れたと言うのが第一の理由だろう。僕は生まれてこんなにも人前で話したことがなかった。しかも、御堂真理相手に公約を宣言したりして……
本当に日記部に入ってから、生まれて初めての体験が目白押しだ。日記に書けるような楽しい学生生活を送るのが目的なので、目的は達しているのだろう。二人の先輩がいるから安心ってのもあるし。
横目で滝川先輩を見つめる。滝川先輩は真っ直ぐ前を見て歩いていた。僕と高月先輩が話している間、周りの人に声をかけていたのを何度か見た。立候補を僕に押し付けたものの、自分の仕事はサボらない。勢い任せの所があるけど、良い先輩だ。
すると僕の視線に気づいたらしく、こっちを向いて「なんだよ」と声をかけてくる。僕が「今日はお疲れさまです」と答えたら、顔を真っ赤にして「全然疲れてないから。お前と一緒にするな!」と言って早足で少し先に進んだ。
今度は反対側にいる高月先輩を横目で盗み見た。今日は何度も助けられた。いや、本当は毎日のように助けれらている。あの時、前に出てかばってくれなかったら、後ろにいて見守ってもらわなかったら、緊張して何もしゃべれずに終わっただろう、
高月先輩は少し視線を空に向けて、ぼんやり歩いているように見えた。きっと美国進のことを考えているんだろう。常に頭の上のたんこぶである美国進。先輩は一年生の美国進に話しかけられただけで、動揺したようにみえた。今回は敵とはいえ、やっぱり先輩は本当は話をしたいんじゃないかと思う。
でも……僕は嫌だ。だから今日も二人の間に入って遮ってしまった。カッコ悪い……僕は情けなくなってため息をついてしまった。
「ため息をついたら、幸せが逃げるよ」
上を向いたまま高月先輩が答えた。僕は慌てて口を閉じる。なんだか心を見透かされた気がしたからである。するとタイミングよく前を歩く滝川先輩の声が聞こえた。
「おらっ、早く歩け。帰ったら晩飯作らなきゃいけないんだぞ!」
忘れてた。合宿してたんだ。真琴さんは今回も監修として、台所に立っていてくれるのだろか。……心配だ。体調的な意味で。
更新は1~2時間後です。