10/18 2:58
今回のコメント
くそっ「とらドラ」をテレビでついつい見てしまった!
あっという間に時間が過ぎる。
BD-BOXを買うべきなのか……
(ちゃんと書けよ)
***********************************
高月先輩は御堂真理を見つめたまま一歩後退した。御堂真理は一歩踏み出す。もう見ていられない! 僕はとりあえず一歩踏み出した。
「ちょっと待ってください。高月先輩は関係ないでしょう。立候補したのはこの僕だ」
「雑魚は黙ってなさい。朝のことは忘れたの?」
御堂真理は僕を見ずにすぐに言い返す。まるで相手にされていない。だけどなんとか向かせないと。
「公約はちゃんとある。それを発表するのが推薦人では変でしょう」
僕の言葉に御堂真理はゆっくりとこちらを向いた。いつもどおり羽扇子で顔半分を隠す。細くて鋭い視線が僕に容赦なく突き刺さった。僕は倒れそうになる感覚を何とか抑えた。
「聞かせなさい。本気でつぶしてやらないと駄目なようね」
「草弥君」
「高月亜也、アナタは黙ってなさい!」
御堂真理に一喝されて、高月先輩は歩みを止めた。同時に僕は高月先輩を見つめ、頷いた。すると先輩は一瞬眉間にシワを寄せた。怒ってるだろうな。でも、お説教は後で受けます。
あらためて御堂真理と対峙する。さすがに一対一は辛い。今の僕を支えているのは。昼休み緊張した僕の背中に触れてくれた高月先輩の手の暖かさだった。期待されている。いや、されていないのかもしれない。だけど、ここは僕が食い止める。
……ん? 食い止める? お昼の出来事……あっ、繋がった!
僕はさらに一歩踏み出した。息を吸い込み、一気に言葉と共に吐き出した。
「僕達の公約は購買部の改革です!」
言った瞬間、周りが黙ってしまった。僕は焦って言葉を付け足した。
「理想を言えば食堂を作って欲しいんですけど無理なら、昼食の前日注文なんかを携帯やパソコンから予約できたりすれば、殺伐とした争奪戦も無くなるんじゃないですかね」
と、言ったものの反応はあまりないじゃないか。御堂真理も羽扇子で表情は読み取れないけど、言葉を発しない。滝川先輩や高月先輩も少しだけ口を開けて固まっている。あれ? 失敗したかな? 名案だと思ったけど。
「君ねえ……」
数秒後、高月先輩が僕へツカツカと歩み寄ってくる。先輩は手を伸ばし、僕の鼻をつまんだ。痛いっ!
「そういう案は、もっと早く出しなさい」
「へ?」
「良いじゃない。購買部改革」
高月先輩の行動を合図に人垣が一気にざわめきだす。「昼の争奪戦は確かにひどいもんな」「予約できるのなら、安心して女子でも買いにいけるよね」なんて声が聞こえた。滝川先輩も「遅いんだよ、お前は」と言って頭を叩いた。一瞬のひらめきで答えたんだけど、なかなか感触は良くて安心した。
しかし、ここに面白くない人間がいた。御堂真理は「ふんっ」と一言いって羽扇子をせわしなく動かした。
「そんないい加減な公約でいいわけないでしょう」
「制服の変更と大して変わらんだろう」
滝川先輩の反論に御堂真理は言葉を失った。
今日はとりあえずここまで!。