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今回のコメント


きょうのごは~ん


ごはん

しょうがやき

きゃべつ


いりたまご。


いじょう!



今日からまた『トロフィー』をしれっと再開!



***********************************



 日記世界ではあっという間に放課後。僕達は下校する生徒に対して、活動すべく校庭に向かった。すると、予想通り、美国陣営もすでに選挙活動を行なっていた。僕は思わず滝川先輩を見てしまった。先輩も僕の視線に気づいたようで、視線が会った瞬間、口を歪ませた。


「心配するな。無茶はしない。亜也まで困らせたくないからな」


 なるほど。僕だけ困るのは問題ないわけだな。了解。断固滝川先輩を見張ることにする……なんて余裕はなさそうだ。美国陣営とは離れた場所で活動することにした。


「皆さん、初めまして。私達は……」


 まず、高月先輩が声を上げて、皆の注目を集める。よく通る人を集める声って言うのは本当にあるようで、少しずつだけと足を止める人が増えていく。いつの間にか二十人ぐらいになった。


「あれ? あんな子いたっけ?」

「な、なあ。ちょっと目の保よ……じゃなくて、演説を聞こうぜ」


 集まった人たちの視線は高月先輩に向けられていた。


 さすがだ。「殲滅の日記姫」以前の高月先輩は五十人の入部希望者を集めたぐらいだからな。自分の話で人を集められないのは癪だけど、ちゃんと利用して名前を売らないと。きっと高月先輩が、客寄せパンダみたいな状況を一番嫌だろうから。


 横から見つめた先輩の表情が少し固い。僕は自分に気合を入れなおした。


 先輩の紹介を受け、僕は昼休みと同じように自己紹介を始める。何とか終わりまで漕ぎ着けた。幸い、演説が短いのもあって、人はほとんど減っていなかった。僕がほっとしたのも束の間。立ち止まった人の中から声が上がった。


「で、さぁ、立候補するのは分かったけど、何してくれるの?」

「えっと……」

「まさか、『考えてない』じゃないよね?」


 僕は言葉に詰まり答えられない。高月先輩が助けに入ろうとしたその時、甲高い声が人垣の外から聞こえる。すぐに人垣は二つに割れ、羽扇子が目に入った。


「このノンポリ軍団、証拠にも無くまだこの問いに答えられないの?」


 羽扇子をゆらゆらと動かし、御堂真理は登場した。人が簡単に退いてしまうほどの存在感はさすがだ。高月先輩とも充分張り合える。


「仮にも生徒会長を目指すのなら、そろそろ教えてくださらないかしら?」


 御堂真理は高月先輩を目の前にして、鋭い視線を向ける。僕と滝川先輩は眼中に無いようだ。高月先輩も迎え撃つように視線を動かさない。


「御堂さんの言うとおりね。ポリシーのない立候補者はちょっとね……」

「早く教えてくれよ~」


 人垣から非難の声が聞こえる。僕は声の方角を見ると、朝、美国陣営の応援団として立っていた男女が見えた。まさか、こいつ等僕達の妨害をしようって言うのか? ということはこれは御堂真理の罠。しかも高月先輩を潰しにかかっている。たしかにウチの陣営は高月先輩がつぶれたらおしまいだ。


 この状況をただみつめるしかないのか……なにか助けるいい案はないのか。僕は頭をフル回転して考えた。なんだか最近、頭をフル回転させる場面が多いように思える。それも全部高月先輩がらみ。なんだか苦笑したくなった。だけど、今はそれよりも先輩を助けないといけない。




更新はいつものように1~2時間後。



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