10/13 22:32
今回のコメント
今日という日の夕食
・焼きそば
以上(少なっ)
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予鈴が鳴り、皆が校舎に戻る中、僕たちは日記部の部室に戻った。室内に入り、扉を再び開けると、日記時間が移動する仕組みだ。次、扉を出て行くと昼休み、その次は放課後、これを五日間繰り返す。
だけど僕達はすぐに扉を開ける事はなかった。理由はもちろん作戦を練るため。色々考える前に滝川先輩が、僕と高月先輩に頭を下げた。
「亜也、草弥、すまん。完全に私の暴走だ」
「止められなかった私たちも悪かった。それよりも今は次の事を考えましょう」
正直、僕自身、言いたい事はあったものの、助けられたこともあり、高月先輩に従うことにした。僕にアイデアがあった。
「あの、どうせ日記世界なんだから、大袈裟で良いんじゃないでしょうか? たとえば、旧校舎建替えとか、全教室にエアコン完備とか。どうせ僕らはいなくなるんだし」
案外名案だともうけど。しかし、先輩二人の反応は芳しくなかった。
「君ねえ……」
「馬鹿。そんなできそうにない案に誰が票を入れるんだ」
確かに。なんでも発想できそうで、票を入れてもらうという点に関しては不自由だった。それにしても、美国陣営に対抗できるようなアイデアがまるで浮かばない。三人ともに黙り込んでしまった。
考えてみれば問題は公約だけじゃない。僕達は転校生という立場なので知名度がない。なるべく多くの教室を回らないと。時間を無駄にはできない。椅子に座り、各々頭を抱えていると、扉が開いた。
「ずるはいけないよね~♪ 時間の自由が利くと思ったら大間違いだよ。扉を開けて室内に入った瞬間にお昼休みになっているから、気をつけて~!」
「『気をつけて』って平光先生の調整次第じゃないですか!」
僕の抗議も虚しく、平光先生は我関せずの涼しい顔。いちいち構っていられない、急いで部室を飛び出した。
「なんにも考えていないけどどうする?」
滝川先輩は心配そうに高月先輩を見つめる。僕も一緒に見つめてしまう。
「そうね……とりあえず今日は名前を覚えてもらうことに専念しよう」
僕と滝川先輩は頷く。高月先輩は僕たちに微笑みかけた。先輩の表情に僕はすっかり安心しきっていた。
「高月先輩、人通りが多いところってどこですかね?」
「どこだろうね。お昼休みで、人が集まるところ……」
数秒後、僕達三人は同時に思いついたらしく、各々の顔を見合わせた。タイミングを合わせるように声を出さずに「せーの」で同時に言葉にした。
「「購買部!」」「グラ……購買部!」
今誰かがが「グラウンド」って言わなかったか? よく見ると滝川先輩がそっぽ向いて早足で進んでいく。そういうことか……
ちゃんと今日は1~2時間後の更新目指してます!